「時に自分が情けなくなります」年上部下の本音
―[明日は我が身の[年上部下]の本音]―
“年下の上司”の元で働くということ
劣等感――優秀な上司だけに、かえって募る情けなさ
◆本人37歳×年下上司32歳(ゲーム制作会社)
「時に自分が情けなくなります」
フリーのCGデザイナーとして働いていた柏木稔さん(仮名)だが、安定を求めて昨年、就職。入社7年目、5歳年下のプロデューサーの下で働くことに。
「最初、自分より年上かと思った」というだけあって、その上司は10人もの制作チームをソツなくまとめ、決断力もあり、クライアントにも強気の頼れる上司だという。
「だから、基本的には納得はしているんですよ。でも、彼を見ていると、ときどき自分が情けなくなるんですよね。彼は若くしてあんなにデキるのに……と。ずっと組織の中にいたら自分も彼のようになっていたのかな、と思ったり。会社員とは違う生き方を目指してフリーでやってきたのに、現実を見せつけられたというか……心の中でバカにしていたものにバカにされているような気がするんです」
そんなコンプレックスは引け目となるようで、「飲み会などでの他愛もない世間話でも、上司に自分の意見を言うのをついためらってしまう」んだとか。
「劣等感はないつもりなんですけどね。上司が戦国武将なら自分は草食動物。彼のような生き方はできないし、したいとも思わない。自分はこれで幸せですし……」
そう語る一方で、「いつも完璧な彼がたまにテンパると『実は無理しているんだろうなあ』と思うんです。もし俺がチームをまとめたら彼よりうまくできるんじゃ……と夢想したりもする」とも。複雑なその心中、察するに余りあるが……自分の気持ちに素直になると、もう少し楽になる、かもよ。
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