更新日:2017年12月21日 15:17
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日本人のランチタイムは平均20分 早食いは最悪“死”を招く悪習慣

 世界最高の長寿国なのに、なぜか国民は常に健康不安を抱えている不思議の国ニッポン。だが、その不安は思い過ごしなどではなかった! 知らぬ間に日本人を蝕む“隠れた悪習慣”に迫る。

ランチタイムが短すぎる!

ランチ 現在、日本人が最も警戒すべき病気と言えるのが糖尿病。最新の国民健康・栄養調査(’16年)の発表によると、糖尿病が強く疑われる人は1000万人と過去最多であることが明らかになった。 「にもかかわらず、糖尿病が死に直結する病気であることを認識している人はまだ少ないのが現状です。インスリンの働きが低下することで体内各所の細胞に栄養(ブドウ糖)が行きわたらなくなり、細胞が弱っていくのが糖尿病の怖さ。結果として多臓器不全や免疫力の低下も招きます。早い話、エイズにも匹敵する恐ろしい病気なのです」と警鐘を鳴らすのは、健康書に多数のベストセラーを持つ薬剤師で予防医療家の加藤雅俊氏。  糖尿病の増加には、食生活の欧米化(高カロリー食)が関係しているとの説がもっぱらだが、加藤氏は「食べ物以上に、日本人に特有の食べ方こそが問題」と言う。 「いくら欧米化したと言っても、世界から見れば日本人の食生活はヘルシー。なのに糖尿病が増えているからには、他にも理由があると考えるべき。私は“早食い”に大きな原因があると考えています」  日本人の早食いっぷりを示す証拠のひとつが「ランチタイムの短さ」。新生銀行の調査によると、世代を問わず昼食時間の相場は20分。フランス人が1時間以上かけてランチを取るのとは大違いだ。 「日本人の多くは“食事は短時間で済ませるもの”という価値観の下で育っています。給食をダラダラ食べていると怒られるし、会社でも“昼メシなんてさっさと食べて早く仕事に戻れ”という空気が濃厚。自分のデスクで10分以内にランチを済ませる人も多いのでは」  この習慣こそが、糖尿病の温床。 「糖尿病の原因である、インスリンの働きの低下は“急激な血糖値の上昇”を繰り返すことで起こりますが、そこにカロリーはあまり関係ない。重要なのは“食事時間”。例えば同じカロリーのカツ丼とカツ煮定食を比較した場合、前者のほうが血糖値が上がりやすい。定食の場合は一気にかき込むのではなく、箸を運ぶ手数が増えることで、自然と噛む回数が増え、食事の時間も長くなるからです」  立ち食いソバを5分でかき込むようなランチを、毎日の習慣にするのは命取りなのだ。<取材・文/週刊SPA!編集部> ★ここがヤバい! 早食いは血糖値の急上昇を招く。習慣化すると糖尿病リスクに。 【加藤雅俊氏】 薬剤師・予防医療家。近著『薬に頼らず血圧を下げる方法』もベストセラーに。新刊『食事を気にせずに血糖値を下げる本』(マガジンハウス)が近日刊行 ※週刊SPA!12月26日号「日本人を不健康にする実は[ヤバい悪習慣]」より
週刊SPA!12/26号(12/19発売)

表紙の人/ 土屋太鳳

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