睡眠をレジャーと考え、モチベーションを上げる方法
―[[毎日8時間寝る]逆転の仕事術]―
幼い頃「寝ないと大きくならないよ」とさんざん言われた。大人だって、寝たほうがいい。当たり前のようでいて忘れ去られている事実を今、仕事術として提言する
◆睡眠という“レジャー”を楽しんで何が悪い?
書店を歩けば「4時間半睡眠で成功者に!」「短眠法で人生が変わる!」など、睡眠を削って仕事に励めと謳う書籍がそこかしこに平積みされている今日。でも正直、こんな意識の高いメソッドになんかついていけない……。そんな我々に、逆転の発想を提案するのが『仕事がヘタすぎるから時間管理の達人になってみた』著者の呉琢磨氏だ。氏曰く、睡眠を削って「出世」や「スキルアップ」を目標に頑張るよりも、「睡眠をとる」を目標にしたほうが、よっぽど能率がアップするという。
「そもそも、30代にもなればキャリアは10年以上ですから、仕事のスキル自体は皆それなりに持っているはず。ならばスキルを磨くより、いかにやる気を出すかがパフォーマンス向上の鍵なんです。今の時代『出世』や『給料アップ』を目標にしてもなかなか結果が見えない。一方『しっかり寝るために頑張る』という目標は、ユルいけれど目に見えやすく、モチベーションに繫がる。どんな人でも実践できるのでは」
さらに呉氏は、こう開き直る。
「きっちり業務を果たせば、睡眠という“レジャー”を気持ちよくエンジョイできる。それなら誰にも文句は言えないですよね? ほかの人が飲み会やデートを楽しんでいるのと同じことです」
とはいえ、世間では「寝ないで頑張る人が偉い」という風潮が強い。ゆえに、同僚が残業するなか、しれっと帰って寝るのは罪悪感がある……。それに対する呉氏の弁はこうだ。
「罪悪感は、単に気持ちの問題ですよね。寝てない自慢をしてくるヤツは、『俺は企業戦士だ』と自分に酔ってるだけですから、スルーすればいいんです。どうしても気まずいなら、『子供の面倒を見なくては』とか『メタボ解消でジムに行かなくては』とか、早く帰る理由をつくるのも効果的でしょう。『いざとなったら睡眠を削ればいい』という考え方よりも、日頃から睡眠の確保を意識して動いたほうが、結果的にスケジュール管理もうまくでき、仕事の効率が上がりますよ」
誰だって大好きな睡眠の幸福感。それを励みに頑張れば、いつの間にか仕事がデキるヤツになっているかもしれないのだ。睡眠礼賛!
【極意】
・30代はスキルアップよりモチベーションアップを
・頑張る動機が“睡眠”だと結果が見えやすい
・寝てない自慢のヤツをマネする必要はない!
【呉 琢磨氏】
フリーライター。著書『仕事がヘタすぎるから時間管理の達人になってみた』(ぱる出版)では、締め切りを守れない性質(?)を生かした逆転の時間管理術を提案
取材・文/朝井麻由美
― [毎日8時間寝る]逆転の仕事術【1】 ―
『『仕事がヘタすぎるから時間管理の達人になってみた』』 時間管理術指南書 |
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