社名が総務部!? ストレートすぎる(珍)社名
―[(珍)社名の謎を追う!]―
世の中には「えっ、それって会社名?」と思わず目を疑ったり、妙な誤解を受けそうな怪しい響きの社名が結構ある。それなりに考えて命名しただろうに、なぜそんな名前に!? そんな気になる名前の会社に、社名の由来と、その名前ゆえのエピソードを聞いてみた!
【ストレートすぎ!編】
社名:総務部
総務部門のアウトソーシング
総務部門の業務を請け負う会社だからって、社名が総務部とはそのまんますぎって気も。由来を尋ねると、「社名を考えていたときに『あ……総務部!』と閃いて、30秒で決めました。あとから”名は体を表わすというし、わかりやすい”なんて理屈をつけた感じ」って、決定早っ! ただし、登記時には少々てこずったらしい。
「『○○会社総務部』のように会社の一部門としてならともかく、社名となるともちろん初のため、法務局の人が法律書を7~8冊並べて何時間も検討してましたね」
開業後はアウトソーシング事業の先駆けということで取材が殺到、「いわば無料で宣伝ができたという(笑)。初のアウトソーシング+ふざけた社名のW効果だと思いますが、名前だけだったら一過性で終わってたでしょうね。そういえば、その後、人事部や経理部という株式会社も出てきたんですよ」とは、二匹目のドジョウ狙い?
電話で話してくれた方に、「もしや社長ですか?」と尋ねたところ、「いえ、部長です。ウチには社長はいませんから。肩書きは代表取締役部長なんですが、日経新聞には”ふざけるな!”と思われてるようで 、記事には『代表取締役』とだけ書かれるんです」。シャレが通じない人っているんだなあ。
社名:ベン
流体制御弁などの開発・製造
バルブ、つまり”弁”の専門メーカーだから社名は「ベン」。
「もともと一つだった会社が分社化により2社に分かれ、そのうちの片方が弊社でした。ただ、当時は『フシマンバルブ』という社名で、分社したもう一方の社名と酷似していたため、取引先の方々に紛らわしいのではということになり、’70年に社名を変更することになったんです。その際に一般からの公募で社名案を募り、選ばれたのが目につきやすくシンプルな『ベン』でした」(広報担当者)
シンプルにもほどがあるような気がするけど、今では業界内にすっかり浸透しているそうだ。
社名:ザ鈴木
おにぎり成形マシンなどの製造
「昔は鈴木鉄工所という社名で、1~2種類の専門機械を製造してたんです。でも、先行きを考えていろんな機械を手がけていくことになり、社名も変更しました。いろんな機械を全部ひっくるめて、すべて扱うって意味で『ザ(THE)』を付けた」というのが、その由来とか。前社名もとってもストレートでわかりやすかったのね。
社名が変更されたことについては、「今の社名になってから入った社員はともかく、鈴木鉄工所時代からいた人間にしたら、改名当時は恥ずかしかった」なんて話も。
「取引先に電話をかけて『ザ鈴木です』と言っても、『はぁ!?』って感じでね。仕方ないので『鈴木鉄工所です』って言い直したり(笑)」って、改名した意味ないじゃん! でも、今ではザ鈴木と名乗ることは「フツーになった」。やはり何事も慣れが大事ですな。
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