開業1ヶ月で「秘境駅」と揶揄される羽沢横浜国大駅。行ってみると…
11月30日、横浜市に新しく誕生した「羽沢横浜国大駅」は、相鉄線とJRの相互乗り入れを実現した駅として注目を浴びた。開業日には記念切符を求めた長蛇の列ができ、テレビ番組でも多くの特集が組まれるほどだった。
筆者は平日の午前9時着を目指して、都内から埼京線で同駅に向かった。大学に隣接しているうえに、新宿・渋谷まで一本でいける路線は通勤や通学の人でごった返しているかもしれないと予想しつつ。しかし、大崎駅を過ぎるとなにかが滅亡したのかと思うほどに電車内はガラガラになった。そうして目的の羽沢横浜国大駅に到着したが、降りる人もほとんどいない。
誰もいない空間と壁面や天井の真新しさから、ミニチュア模型の中にでもいるような錯覚にさせられる。駅員にいくつかの質問をぶつけてみる。
――予想されている1日の乗降客数はどのくらいですか?
駅員:1万人だと聞いています。
――今の所、実際はどのくらいの乗降客数なんでしょうか?
駅員:まだ統計が出ていないのでわかりません。おそらく来月ごろには出るかと思いますが、今は見学の方も多くきているので、正確な「利用者」がわかるのはもう少し先ではないでしょうか。
とても丁寧に対応してくれたが、朝のラッシュ時間帯で私がホームからおりて駅員室までくるのに見かけた乗客はたった2人。本当に1万人の乗降客があるとしたら、ここだけサマータイムかなにかを導入していて、午前6時頃が激しく混んでいるのだろうか。そして見物客らしき人はひとりもいない。
1時間に3本という首都圏では少ない本数の運行で、駅前のバス停にいたっては1時間に1本(たまに2本)しかバスがこない、時刻表ならぬ地獄表の様相を呈している。駅前に出てみても、何かあるとは到底思えない景色が広がっていた。
元々は貨物駅だったこの場所は、今でもコンテナが並ぶターミナルがあり、永遠に通過し終わらないかとさえ思える長い長い貨物列車が往来している。駅の北側は環状2号線を跨いだ先にあり、ここが横浜だと信じられないような景色。
「ここは本当に秘境駅で、撮れ高なしで帰る羽目になるのかもしれない」などと考えながら歩くと、ビニールハウスの列が見えてきた。敷地内のプレハブには「いちご狩り」の文字が。時期外れのため現在は閉まっているが、ここ「もちだ農園」では来月から取り放題・食べ放題のいちご狩りができるようだ。渋谷からたった5駅でいちご狩りができるのは、注目すべきポイントになる。
さらに、そこから歩くと関東最大級のオリーブ園を有する「米屋農園」も見えてくる。こちらは、サッカーコート4面分もの敷地にオリーブだけでなく、あらゆる樹木を栽培しており、庭木や果実の木々を購入することができる。冬だというのにみずみずしい果実や、色とりどりの花も見られたので季節になれば、見るだけでも楽しめる豊かな光景が広がるに違いない。
これだけでも、秘境駅とは言わせない魅力は充分だ。
※12/23訂正「米田農園」と間違って記載しておりましたが、正しくは「米屋農園」でした。謹んでお詫び申し上げます
駅名にも冠されている通り、ここは横浜国立大学のお膝元。同校は、B’zの稲葉浩志や眞鍋かをりの出身校としても有名だが、政治経済の分野にも数多くの才能を輩出していることでも知られる名門だ。そんな大学の構内には飲食店があるが、筆者がオススメしたいのが「図書館カフェshoca」。
まず、魅力の一つは大学だけあってその安さ。コーヒー1杯200円で飲むことができる。そして、首都圏ではまずありえない空間的な広さもいいし、図書館に併設されたカフェとあって、とても静かだ。高い天井と広く取られた座席配置。そこに大きな窓から差し込む木漏れ日が気持ちいい。休憩にも読書にも作業にもピッタリの空間になっていた。
しかし、どんな魅力的なエリアなのかとインターネットで探ってみても、名物ランチや観光スポットはほとんど出てこない。挙句には、開業して1か月も経たないうちから「秘境駅」とまで揶揄されている始末。はたしてそれは本当なのか? 実際に行ってみることにした。祝新駅開業と開業式典「ハザコクフェスタ」https://t.co/Z5zI8mGq61#羽沢横浜国大 #羽沢 #相鉄 #羽沢横浜国大駅 #相鉄JR直通線 #相鉄都心直通線 #羽沢横浜国大駅情報局 #相鉄線 #相鉄12000系 #相鉄20000系 #新横浜線 pic.twitter.com/ZMVSVv5ywu
— 羽沢横浜国大駅 情報局 (@hazawa_yokokoku) 2019年11月30日
人はどこへ?
ここが横浜?とは思えない景色
「図書館カフェshoca」がオススメ
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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