コロナで見えた会社のブラック体質。美容師なのに除菌スプレーを…
いま、コロナの影響でさまざまな業界が苦境に陥っている。外出自粛や営業中止の要請を受け、これまで通りでは全く経営が成り立たなくなってしまったという人たちも多い。経営者たちはなんとか利益を上げて社員の生活を守ろうと必死になっているが……。自身の勤務する会社の思わぬ「ブラック」な側面が見えてしまうことも。
千葉県内のサロンに勤める美容師の持田貴弘さん(20代・仮名)は、コロナの影響でパタリと来客が無くなり、オーナーから驚くべき指令を受けたという。
「人との接触が多い職場で、普段から“消毒剤”を使っていたため、在庫が大量にあるんです。髪を切りにくる客がいないなら、消毒剤を売って乗り切れと……」(持田さん)
いや、前提として客が来ないのだから、どうやって販売すると言うのか。すると持田さんは、店のマネージャーからさらに驚くべき指令が下された。
「店の外に立って、ダンボールに“除菌スプレーあります”って書いた看板を立てて、通行人や道ゆく車のドライバーに向けて売るんですよ。もう恥ずかしくて恥ずかしくて、常連客や友達に見られて『何やってんの?』ってメールが来たり……。しかも丸1日やって売れたのは2本だけ。
もともと給与が低かったり残業代が出なかったりとかブラックっぽい感じの会社でしたが、ここに来てブーストがかかったというか。コロナが落ち着いたら辞めようと、みんなで話しています」(持田さん)
東京都内の和食チェーン店に勤務する寿司職人の須藤恭平さん(40代・仮名)も、料理をつくるどころの話ではないと嘆く。
「外出自粛要請で客足が減っていたところに、営業自粛要請まで出て、経営状況は瀕死状態。今まであまり力を入れていなかった持ち帰りや宅配を始めたんですが、焼け石に水ですね。
そこで店長から出された提案は、チラシ配りと、周辺の住人宅をピンポンしてまわり営業しろって。店をどうにかしたいという気持ちはわかりますが……近所の人たちからは『そこまでするの?』と哀れんでもらい、何回か注文を頂きました」(須藤さん)
美容師なのに除菌スプレーの店頭販売
周辺の住人宅をピンポン営業
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