ご近所の自粛警察に感じる不安。本家警察も手を焼くありさま
新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの国民が自粛生活を強いられている。とはいえ、外出を厳しく罰則付きで制限している諸外国とは違い、ジョギングや散歩など、気分転換に近所を出歩くことまでは制限されていない。だが、いわゆる“自粛警察”の目にはそれすらも“犯罪”に映るらしい。
大手キー局記者・鈴木恵介さん(30代・仮名)がため息混じりに漏らす。
「主に中高年の視聴者から毎日のように、近所の公園で子どもが遊んでいるから取材しろ、と情報提供が寄せられます。犯罪じゃないんですよ、と言ってもわかってくれない。
子ども達もツラいからしょうがないですよね、なんて言おうものなら烈火のごとく怒り出し『お年寄りが死んだらどうするの!』なんて。公園で遊ぶ子ども達の姿を隠し撮りした動画や写真を、罵詈雑言とともにネットにあげている人もいます。そっちの方が犯罪なんですけどね……」(鈴木さん、以下同)
実際、全国各地の警察や役所にも同様の“通報”が相次いでいるともいう。
「警察にはもっと多くの“通報”が寄せられているようで、毎回いさめているというのですが……。中にはクレームが本当のトラブルになって、いよいよ警察が出動するような事態も起きており、自粛警察に本家警察も手を焼いているようです」
実際に自粛警察のせいで思わぬトラブルに遭遇したというのは、埼玉県さいたま市在住の会社員・横田雄一さん(仮名・30代)だ。
「戸建ての自宅前で、運動不足の子どもに縄跳びをさせていたんです。そしたら翌日、玄関に張り紙がしてありました。勝手な子どものせいで、病気のお年寄りが死んだら殺人犯になる、などとおどろおどろしいことが書いてありました。さらに確認したところ、近隣の子持ちの住人宅にも、同じような張り紙や手紙が投函してあったのです」(横田さん、以下同)
実は横田さん宅、数年前に造成された新興住宅地。すぐ近くの古い住宅が立ち並ぶエリアに住んでいる高齢の男性が送り主であることが判明した。
「早朝にこちらまでやってきては、子どもが外出をしていると怒鳴っていたことが発覚。ある朝、私が待ち伏せしていると、やはり子ども達を怒鳴り散らしていたので出て行きました。私が言い返すと、『年寄りをいたわらない人間は地獄に落ちる!』とのことで。そのおじいさん、今度は別の新興エリアに現れたようで、そこでも子どもや女性に怒鳴り散らしているとか。そんな元気があるのなら、まだまだ大丈夫だろうって(苦笑)」
外出自粛中にご近所トラブルが多発
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