会話形式でスラスラ読める将棋戦術書
藤井聡太二冠の躍進が話題の将棋界。藤井フィーバーとも呼べる現象を目の当たりにして「将棋のルールや駒の動かし方は子供の頃に覚えたけど、久々にやってみようかな」という方にもオススメの新刊が『
将棋「初段になれるかな」大会議』(高野秀行・岡部敬史・さくらはな。著/小社刊)だ。この本は『
将棋「初段になれるかな」会議』の続編。従来の戦術書とは異なり、「初段になれない」級位者の目線で、わからないことをプロに聞きまくる、会話形式の異色の将棋戦術書として話題となり、2019年度の将棋ペンクラブ大賞「技術部門」にもノミネートされた。
『将棋「初段になれるかな」大会議』
「恥ずかしがらずに何でも聞く」をテーマに、アマチュアの二人がプロ棋士に質問する「会議」スタイルの本書。なんとなく“わかったつもり”になっていた将棋戦術が「実は誤解だった」ということは、以下のようなやりとりでもわかる。
さくらはな。(本書の著者。以下、さくら) 攻めの銀と守りの銀を交換しても、たいした得になっていないということですか?
高野秀行 (本書の著者。以下、高野) はっきり言ってしまいましょうか。たいした得にはなりません。
岡部敬史 (本書の著者。以下、岡部) では、なぜいろんな本で「攻めの銀と守りの銀を交換すれば成功!」と書かれているのですか?
高野 銀交換ができているというのは、歩、銀、飛車という正しい順番で攻められているわけです。ですから、正しい形で攻めているから成功しているとはいえますよね。でも、いろんな攻め筋を知っていないと、結局は、子供将棋教室での「あるある」のように同じことの繰り返しになってしまう。
岡部 銀を交換したくらいでは、全然終わってないと。
高野 料理でいえば、材料を切っただけですね。
イラスト/さくらはな。
こうした会話ののち、実際に持ち駒の銀をどう攻めに使うのか、盤面を用いて具体的に説明していく。
他にも、
●「級位者の自陣角に好手なし」
●「有利なときこそ普通預金のような手を」
●「初段だけど受け将棋という人はいません」
など、初段を目指す級位者にとってタメになるセリフが満載。サクサクと読みながら、自然に上達のコツを体得できる。
初段を目指す人の師匠は“初段になった”アマチュア?
また、新たな試みとして「初段になるための心得やコツといったものは、実はプロ棋士よりも、苦労して初段になった人のほうがわかるのでは」という仮説のもと、一般の方々へのアンケートも実施。「初段になるうえで大切にしていた信条や格言、考え方など」「棋力がアップしたきっかけや発見など」「棋力アップのためにした勉強方法やその時間」といった質問事項に回答してもらい、高野六段の監修のもと、初段になるために必要なものをピックアップしている。
初段師匠との対局、トークイベントを配信
芸事の一つの到達点ともいえる「初段」という目標。それを達成した初段師匠ともいえるアンケート回答者と著者陣が、本書の作成裏話や初段到達のコツなどを語り合うオンラインイベントが、9月26日(土)15時より、ツイキャスで有料配信される。
開始直後に行われる出版記念ネット対局「さくらはな。Vs初段師匠」を、高野六段がリアルタイム解説。対局終了後は、フリー将棋ソフトを使いながらの感想戦を行い、実戦を交えながら、初段を目指す考え方を体得できるという仕組みだ。
イベントのネット対局は「81道場」を使用
視聴料金はワンコインの500円。読者はもちろん、これから将棋を始めたい人、将棋の上達法に興味のある方も奮ってご視聴いただきたい。
↓チケットは
コチラから
『将棋「初段になれるかな」大会議』出版記念オンラインパーティ
■日時 9月26日(土)15時開始 18時終了予定
■ツイキャス視聴500円
■現時点での参加者
高野秀行
岡部敬史
さくらはな。
梶原治樹(扶桑社)
池田達哉(扶桑社)+初段になった方々 数名