恋愛・結婚

クリスマスの失敗談。ディナーのサプライズ演出を店員が勘違いして…

 クリスマスはどのように過ごすのか。1年に1度のイベントだから楽しみたいという反面、今年はコロナ禍で人が混み合う場所はヤメておこうなど、複雑な思いが交差する。  しかしながら、例年ならば告白やプロポーズの機会だった。それだけに、「失敗した!」という人も少なくないのである。

クリスマスディナーで店員に「プロポーズ」と勘違いされ…

ディナー

写真はイメージです(以下同)。Jill WellingtonによるPixabayからの画像

 2018年の年末、ディズニーランドのカウントダウンでプロポーズを考えていたのは、上田洋輔さん(仮名・20代)。その約1週間前、クリスマスでの出来事を赤裸々に話してくれた。 「外苑前(東京都港区)にある素敵なイタリアンレストランでクリスマスディナーを食べようと事前に予約しました。彼女にも休みを取ってもらいました」  年末にプロポーズを控えていたので、クリスマスプレゼントはあまり豪華なものではなく、花束にしようと考えていたという上田さん。 「クリスマス当日花屋に行くと、薔薇の花束が置いてありました。しかも、12本のダズンローズ。花言葉は『僕と結婚してください』というものでした。今日は花束を渡すだけ……。それがたまたま12本であるということだけなので、それほど深く考えずに花を買ったんです」  予約時間よりも前にお店に行き、「プレゼントなのでデザートの時に出してください」と仕込んでおいた。ただ、その時には「プロポーズではなく、お世話になっている人へのプレゼントです」と店員さんに伝えた、はずだったのだが……。 「彼女と夕方5時に待ち合わせをして、外苑前の道を歩いていると彼女が突然、『先輩が彼氏から薔薇の花をもらってプロポーズされたんだって』と。僕は、今日は薔薇の花を渡すけど決してプロポーズではないぞ、ということをこの後どう伝えようかと気掛かりで仕方なかったのを覚えています」

運命の瞬間?

ダズンローズ

Gábor AdonyiによるPixabayからの画像

 そして食事がスタートした。ヴァイオリンとピアノの生演奏もついた素敵なレストランだ。いよいよデザートの時間にさしかかったとき、思いもよらないシチュエーションがまっていた。 「突然、中島みゆきの『糸』が演奏されたんです。結婚式でよく流れる名曲ですよね。その曲に合わせて、同じフロアにいたカップルがプロポーズしたようでした。大成功の拍手と共に、次に、結婚行進曲が流れてきました」  まさか……と思った上田さん。このタイミングで上田さんの前に薔薇の花束が現れ、お店の人から「さぁ、今ですよ」と指示されたのだ。「あくまでもプロポーズではない」そう伝えたはずなのに。  この花束のプレゼントを結婚行進曲に載せて渡す自分の気持ちはどうしたらいいのか。彼女の顔を見ると。「まぁ~!」という感じで、目がうるうるしている。 「僕は仕方なく花束を渡しましたが、ものすごい勢いで『これはそういうものではない。本当にただお世話になっていることが嬉しくてあげるんだ』と、よくわからない言い訳をしてお店を後にしました」  今となっては笑い話だと話す。ただし、そのときの上田さんの緊張感は想像以上だったのではないだろうか。  その1週間後、大晦日のカウントダウン後にシンデレラ城の前で、無事にプロポーズをしたそうだ。現在は、その彼女と幸せな結婚生活を送っている。
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夢が壊れたトラウマ級の出来事
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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