更新日:2012年05月09日 09:11
仕事

「社内ニート」はどんな会社でも発生している

◆どんな企業でも起こりうる「社内ニート」 会社 企業に雇用されながらも職務に従事していないサラリーマン、「社内ニート」。何と全雇用者の8.5%が該当すると言われる。しかし、そんなのは「人材に余裕がある大企業だけの話では?」という指摘に対し、真っ向から否定するのは、『社内失業』の著者、増田不三雄氏だ。 「中小企業も、経済動向の影響を受けやすい分『採用したものの職がない』というケースでの社内ニートが多いです。さらに、意外かもしれませんが、即戦力の重要性をことさら謳って採用活動をしているベンチャー企業でも社内失業は起こっています。ワンマン社長の企業だとさらに危険で、ただ単に『気に食わない』という理由だけで、仕事から完全に干されてしまうこともあります」  では、実際にどういった会社で社内失業が発生しているのか。増田氏は、いくつかの共通点があると話す。 「まず、これは受注仕事が多くを占める企業でよく見られるのですが、業務が縦割りで、別の部署で働く同僚が何をしているのかわからないような会社です。こういった会社では、社内失業している事実さえも周りに気づかれない。その社員が恥じて言わなければ、社内失業が可視化されず、放置されてしまうのです。ほかには、業務を個人が抱えてしまい、他者が関与できない“業務の属人化”が進んでいる企業。こういった会社では、給料や役職に成果主義が反映されすぎているところが多い。同僚に出し抜かれたくないという気持ちが属人化を助長し、仕事量の格差を生んでいるのです」  しかし、このような共通点を挙げたうえで、増田氏は「社内失業に絶対的条件はなく、どんな企業でも起こりうる」と警鐘を鳴らす。 「典型的な例が、上司との組み合わせが悪い場合です。引っ込み思案な人の場合、体育会系の上司の下につくと、性格の不一致から、仕事をする前に『あいつはダメだ』という烙印を押されてしまい、業務を任されない事態に陥ってしまう。逆に、やる気満々のアグレッシブな営業マンでも、上司がことなかれ主義だったら危険です。取材した例でいうと、ルート営業をする若手社員が、みずから新規開拓をしようと上司に提案したら、『ガソリン代がもったいないからダメだ』と否定された。それならば自転車で回る、と食い下がったら、今度は『自転車だと、事故があっても労災が下りないんだよ』と取りつく島もなかったそうです」  社内ニートの話題になると、「あくまで個人の能力・やる気の問題だ」と片付けられてしまうことも多いそうだが、実際は本人の力ではどうにもできない構造的な事情によるケースも少なくないのだ。 【増田不三雄氏】 自身も社内ニートだった経験から、同じ状況の人々を取材し『社内失業』(双葉新書)を執筆。ブログ『社内失業と呼ばれて』http://d.hatena.ne.jp/shanaineet/ ― 社内ニートの(驚)処世術【2】 ―
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