消えたオリンピック競技のその後。「綱引き」は本気で復活を目指していた
東京オリンピック・パラリンピックが閉幕。開催への賛否はあれど、日本国内だけでなく世界にスポーツの魅力を発信するには十分な機会となった。しかし、五輪競技だけがスポーツではない。今回は、かつて五輪競技だったが現在は外れてしまった競技について専門家に話を聞いた。
東京五輪で開催国の日本は、史上最多58個のメダルを獲得。中でも野球は、決勝戦で野球大国アメリカとの投手戦を制し、金メダルを手にして日本中を沸かせた。また、五輪で初めて競技に採用された空手は、複数のメダルを獲得し日本の強さを示す結果に。
しかし、いずれの競技も次回のパリ大会では除外されることが決まっている。五輪に採用されている競技は、注目を集める機会も多いが、そうでない競技にも魅力は充分にあるはずだ。今回は、かつて五輪には存在していたが現在は外されてしまっている競技について、専門家に話を聞いた。
かつてはシンクロナイズドスイミングと呼ばれ、現在はチームとデュエットだけになっているアーティスティックスイミング(以下、AS)には、1984年のロサンゼルス大会から3大会で「ソロ」という種目があった。日本水泳連盟AS委員長でロス五輪において「ソロ」で銅メダルを獲得している本間三和子氏は次のように語る。
五輪から「ソロ」が外れた理由はなんだったのでしょうか?
「視聴者にとって面白くないからですね。視聴率が取れないということです。ロス以降は五輪が商業路線に進んだので、一般の方の関心の高い種目以外は外れやすくなっています。ASは、チームだとフォーメーションが万華鏡のように変化していくので、一般的な見栄えもしますが、ソロはそれがないですよね」
本間さんご自身がソロでメダルを獲った時は、注目を浴びる種目だったんでしょうか。
「実は私が出場したロス五輪は、本来デュエットだけだったんですよ。選考会もデュエットのみで行われました。そこで私も選ばれたんですが、直前になって突然、連盟から『ソロも加わった』と連絡が来たんです。
だから、ソロは選考会もなかったんです(笑)それで、私がデュエットの選考会で1位だったことと、前年までの大会で優勝してたので「アンタ、泳ぎぃ」て言われて出ました(笑)」
急転直下で、準備も大変だったでしょう。
「大慌てでソロ用の水着を百貨店に買いに行ったりしました。大会まで2か月しかなくて、新しい演技を作り上げるのは無理なので、前の年まで使っていた音楽を急いでブラッシュアップして追加の練習をしましたよ」
空手や野球なくなる、そのほかにもなくなった競技あれこれ
突然現れ消えた「シンクロ ソロ」
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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