コンビニのレジで「無言でタッチすればいい」と思っている客の大きな勘違い――大反響・総合トップ10
日刊SPA!で反響の大きかった2022年の記事をジャンル別に発表してきたが、今回は総合トップ10。初回とランキング発表時の反響をあわせて集計、本当にスゴかった記事を発表する。惜しくもトップ10に届かなかった次点はこちら!(集計期間は2022年1月~2023年3月。初公開日2022年4月9日 記事は取材時の状況。同一連載からは1記事のみランクイン)
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コンビニで長く働いてきた筆者。辞めていた時期もあるが、現在はライター業の傍ら、知り合いの店長に「人手不足」を理由に頼まれ、空いた時間だけ手伝う生活をしている。
昼間、若い男性がこうたずねてきた。
「あの〜、すいません。台車が店にあると思うのですが貸してもらえないでしょうか?」
正直、意味がわからない。いくらコンビニが便利だからといって、なぜ見ず知らずの人に貸さなければならないのか。これが知り合いだったらまだわかるのだが、初めて見る顔だ。
「え、どうしてですか?」
「今、目の前の道で重い荷物を運んでいまして。台車を貸していただけないかと」
借りたまま、返却に来ない可能性もあるだろうし、壊されても困る。筆者には判断できないので、とりあえず店長を呼んだら速攻で断っていた。
男性が去ったのち、店長は「なに考えているんだよ。なんでもコンビニに求めるのはオカシイだろ」と呆れていた。
飛沫防止シートほど邪魔なものはなく、客の声が聞こえにくいうえに視界も悪くなってしまう。忙しい時間帯での出来事だ。
女性客がタバコを買って帰ったあとに次の客がレジに来た。スキャンをしていると、40歳ぐらいの女性客が少し怒ったように言う。
「前に女性客がいたじゃないですか」
「はい」
「あの人、私の前に割り込みしたんですよ」
そう言われても困ってしまう。本当はどうなのかもわからないので、「あ、そうなんですか。わからなかったです」と答えるしかなかった。
「そういうのをしっかり見て、注意をしてもらわないと困るじゃないですか!」
後から防犯ビデオで確認すると、クレームを入れてきた客がレジに来るのか来ないのかはっきりしない動きをしていた。その間に別の客がレジに来て、割り込む形となってしまったわけだ。そんな一瞬の出来事を、見られるはずがない。
よっぽど腹が立ったのだろうか。こっちは普通に働いていただけなのに、とばっちりを受けるとは……。
今回は、理不尽なクレームや意味不明な行動を起こすモンスター客について書いていきたい。筆者はベテラン店員なので、たいていのトラブルは未然に防げるが、それでも頭を抱えてしまうことがある。
見知らぬ人から「台車を貸してください」
納得がいかないクレーム
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