仕事

サイボウズ50歳社員の「新人研修での発言」が社内炎上。孤立して気がついたこと

中年男性の炎上が後を絶たない。火種は確かにあったかもしれない。でも中には火種をつくった人が「おじさん」であったがゆえに余計に燃え広がる事例がある。なぜこんなにも“叩いていい存在”になったのか。その背景を探ってみた。

新人研修での発言が社内炎上して孤立

[おじさん叩き]の大問題

松川 隆さん
大手銀行や広告代理店を経て、’12年にサイボウズ入社。チームワーク総研シニアコンサルタントとして講習や研修を行う

昭和型サラリーマンの価値観が社内で叩かれる原因になってしまったのは、サイボウズの松川隆さん(50歳)だ。 炎上が起きたのは8年前。当時は人事部で新人研修を行う立場だった松川さん。いわゆる熱血漢だ。 「昼休みに新人が先輩と談笑している姿が怠惰に見えて、オンライン掲示板に名指しで、『君が集中すべきことは目の前の研修だろ』と強めの文章を書き込みました。すると多くの社員から『昼休みの行動を制限するのはおかしい』と反論されて。昔のやり方は通じないんだと痛感しました」

「熱血指導が“自分らしさ”だと思ってましたが…」

仕事は気合と根性で乗り切るのが当たり前。そんな偏った価値観を押しつけたことで松川さんは社内で孤立した。 「当時は味方が誰もいないように感じて、会社に行きたくなかったです。熱血指導が“自分らしさ”だと思ってましたが、炎上して以降は、部下に強いる言い方ではなく、『こう思うんだけど、あなたはどうしたい?』と提案するようになりました。余計な摩擦を生んで疲弊したくないですから」
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「セミナーで摑みのネタになっているのが救い」
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