「一寸先は闇の緊張感がたまらない」40代男性、ダイソーの“選択肢で物語が変わる”ストーリーブックで童心に帰る
筆者は、東京都内のゲストハウスを転々としながら、日雇い派遣の仕事を中心に、まったくお金にもならない小説を書くという生活を続けている。当然、生活費を抑える必要がある。そんななかで衣食住にまつわるグッズが低価格でそろう「100円ショップ」は欠かせないものだ。
100円ショップの「ダイソー」で「ドラゴンカリバー」と「ふしぎ探検キミ&ユメ」という2冊のストーリーブック(各税込110円)が発売されていた。
そもそもストーリーブックとはなにか。基本的には小説なのだが、文章が細かく区切られており、それぞれのはじめに1、2、3などと番号が振られている。そしてその最後に戦う、逃げるなどのいくつかの選択肢とともに番号が書かれているので、そこから自由に選択し、その番号の文章に移動して読み進めていくのだ。
これには強い懐かしさを感じずにはいられなかった。僕が子供の頃はストーリーブックではなくゲームブックと呼ばれていたのだが、当時、ファミコンやミニ四駆と並んで夢中になっていたのである。
最初に主人公の体力や攻撃力などのステータスを振り分けてからゲームをスタートする。敵とのバトルではサイコロを使用するので運の要素が大きく絡んでくる。自分ひとりでプレイしているのでこのあたりはいくらでもインチキしようと思えばできるのだが、絶対にしてはならない。それはゲームブックへの冒涜である。
サイコロを振って最悪の目が出ても「今のは無し」なんて言って振りなおしたりせずに甘んじて受け入れる。そんな風に自分自身を厳しく律する心が非常に重要になってくる。
そして運よくバトルに勝っても、次の選択を間違えれば火炙りにされたり、串刺しにされたりして即ゲームオーバー。そんな「一寸先は闇」の緊張感がたまらないのだ。
選択肢を選んで読み進めていく小説
「一寸先は闇」の緊張感がたまらない
1
2
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。
記事一覧へ
記事一覧へ
この特集の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ