欧米人はなぜ雨でも傘を差さないのか?ドイツ人の驚きの言い分「砂糖じゃないから溶けない」
出入国が緩和されていることもあり、訪日外国人旅行者数はコロナ感染拡大前に戻りつつある。街中で外国人旅行者の姿を目にすることも多くなって久しいが、一つ疑問に感じたことはないだろうか。それは、雨が降っているのに、なぜ欧米人は傘を差さないのか?——。たびたび議論が巻き起こるこのテーマ。欧米といっても国によって違いはあるが、ここではドイツ在住の筆者が、ドイツ人の傘についての意識について検証してみたい。
雨が降り出し、傘を差すと、すかさず「砂糖じゃないんだから!」とドイツ人夫に制されたという日本人奥さん。これは、雨に濡れても砂糖のように溶けないから差す必要もないよ、ということらしい。
この旦那さんのみの格言かと思いきや、家に遊びに来た子供に傘を薦めたとき「Ich bin nicht aus Zucker(僕は砂糖でできてない)」と断られたので、ドイツではポピュラーな一節であるようだ。
もちろん溶けないし! なぜ急に砂糖?と気になる点はさておき、それくらい傘の必要性を感じていないことがわかる。
それを裏付けるさらなるこんな意見も。
「朝から雨が降っていれば別だが、天気予報で雨が降るとわかっていても、傘を持って行かない」
「傘を持つのが面倒だし、そもそも天気予報は当たらない(結構当たっていると思うのだが…)」
「もし降ったとしても、上着にフードがついているから、それをかぶれば良い(布製であっても!)」
「傘を使うと、手が塞がってしまうし、雨があがった後、濡れた傘を持ち歩くのがうっとうしい」
それより何より衝撃を受けたのが、「雨は水だから。濡れても何の害もない」という究極の発言! そう、ドイツ人は、雨で濡れることに抵抗がないのだ。
たしかに日本よりは傘を差している人は少ないが、子供時代をドイツで過ごし、日本暮らしを経て、ドイツに舞い戻った我が夫に言わせると「30年前に比べると、傘を差してる人が多いのでは」とのこと。ん? ということは、このテーマを論じるに至らないではないか!
しかしドイツ人にこの問いをぶつけたところ、十中八九……というより10人中10人が、雨でも傘は差さないと答えた。なんだ、この潔い回答は! では、なぜ差さないのだろうか??
雨が降っても砂糖じゃないから溶けない
「濡れた傘を持ち歩くのがうっとうしい」
編集プロダクション勤務を経て、1996年よりフリーライターとなり、情報誌や単行本の取材・ライティングを担当。2007年、ドイツ・フランクフルトに拠点を移してからは、生活に密着したドイツ情報、自分の好きなドイツのモノゴト(カフェ、パン、子育てetc…)を発信するほか、ドイツで活躍する日本人のインタビューを行う。世界100カ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員
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