更新日:2023年07月30日 21:00
仕事

ネズミが大量発生したラーメン店。「落とした食材が30秒で喰われる」惨状を放置した結果…

 新型コロナウイルスが5類感染症扱いとなり、街の飲食店は一昔前の賑わいを取り戻している。そんななか、都心の飲食店は「ネズミの大量発生問題」に直面しているようだ。  飲食店におけるネズミ発生問題は、以前から頭を悩ませていた店も多いだろう。かつては世間的に明るみにならなかった店も、ネズミの大群がゴミを漁っている動画がSNSに投稿されたり、バイトによる裏側を暴露する投稿などにより、決して人ごとではない事態に陥っている。  今回お話を聞いたKさんは、自ら体を張ってネズミと対決を繰り広げていた過去を持つ。その舞台は、アルバイト先だった日本全国に店舗を展開する某人気ラーメンチェーンだ。
ねずみ

画像はイメージです

厨房でネズミの気配を感じる…

 働いていた店舗は、繁華街から少し外れた幹線道路に面した場所にあった。オープンは平成のはじめだったが、当時から建物は古びた木造で、お世辞にも綺麗と言えるものではなかった。  アルバイトを始めて1か月ほどたったころ、とある違和感を覚えるようになる。 「最初のころは接客が中心だったんですが、途中から調理にも携わるようになりました。自ずと厨房の奥に行く機会が増えていくわけです。そこで、視界の端に『何か通った気がする』ことが何度かあったんですよ。見間違いかと思いましたけど、ある時ネズミが駆け抜けるのをはっきりと見てしまったんです。その瞬間、体の底から鳥肌が湧き上がるような気持ちになりました」

チャーシューが30秒後に消えている

 調理台や冷蔵庫の下からネズミがいつ飛び出してくるかと、ビクビクしながら働いていたそうだ。Kさんをあざ笑うかの如く、ネズミの“暴挙”は、徐々にエスカレートしていく。 「働いて数か月が経つと、『麺上げ』を教わるようになります。湯をしっかり切るため、かなり気をつけても麺が何本か床に落ちてしまうもの。麺をどんぶりに入れ、一杯仕上げたあと、ふと麺を落とした場所を見てみると、なぜか見当たらない……。なんとネズミが咥えて持って行ってたんですよ。それからというもの、ネズミを見たくないので、なるべく床を見ないようにしていました。でも、麺上げ場にいると、落ちた食材に駆け寄るネズミが、僕の足に激突したりすることもあって、そのたびに思わず大きな声を上げてしまいました……」  特にチャーシューはネズミに“人気”で、一度落とすとわずか30秒ほどでネズミが奪いに来ていたという。アルバイトの同僚は、ネズミに拾われないように落とした食材を拾おうとしたら、飛び出して来たネズミに触ってしまうという憂き目にもあったそうだ。
次のページ
厨房に入らない店長には事の重大性が伝わらず…
1
2
3
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

記事一覧へ
おすすめ記事