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東京・大手町にある“愛煙家のオアシス”的カフェ。「豊かな時間へのこだわり」が随所にあった

都市部で増加する“喫煙所難民”たち

スモーカーズカフェ・ブリケ

スモーカーズカフェ・ブリケ 大手町プレイス店

 2020年4月の改正健康増進法の施行以来、飲食店や商業施設、オフィス等、多くの人が利用する屋内施設は、原則全面禁煙。特に、もともと屋外の喫煙規制を進めてきた東京では、都市部であるほどたばこを吸える場所は少なくなり、喫煙所を探して街をさまよう“喫煙所難民”となっている愛煙家も多いだろう。  仕事の合間に一服しようと喫煙所へ駆けつけるも、長蛇の列(泣)。行列待ちをしているうちに仕事に戻る時間は刻々と迫り、たばこに火をつけたところでひと口、ふた口吸ったところでそそくさと退散。癒しを求めてのたばこ休憩のはずが、逆に疲れてしまう…そんな愛煙家にとって、オアシスとも呼べるべきお店が、“喫煙者に厳しい街”東京千代田区の大手町にあるという。早速訪れてみた。

オフィスビルにある愛煙家のオアシス

スモーカーズカフェ・ブリケ

ブリケの店内(店舗提供写真)

 地下鉄・大手町駅に直結するオフィスビル「大手町プレイスタワー」にあるのが『SMOKERS CAFE BRIQUET(スモーカーズカフェ・ブリケ 以下、「ブリケ」)』というお店。喫煙まわりのグッズや喫煙具の販売を手がける株式会社元林が運営する喫煙目的店だ。  まず目をひいたのが、たばこを吸えるお店でありながら入り口にドアがないという点。店外にたばこの煙や臭いが漏れるようなことはないのだろうか。 「店内の空気を1時間に20回転循環させるなど、換気量を上げ、空気環境を良好に保っています。給気量と排気量のバランスを調整することで、空気が常に店外から店内に流れ込む環境が作られています。もともとは2万人以上のオフィスワーカーを抱えるビル側が喫煙者のニーズを吸収するために声がかかって出店したのが始まりですが、2018年のオープン以来、たばこの臭いや煙などが外に漏れるなどで苦情があったことは一度もありません」

ブリケ部門長の堀江哲也氏

 そう語るのは、ブリケ事業の部門長・堀江哲也氏。カフェ店内にはすでに多数のお客さんがいて、思い思いに紫煙をくゆらしているが、店の前に立ってもたばこの臭いはしてこない。かなり強力な換気、排気設備を充実させていることがわかる。 「ゆっくり思索にふけりながらたばこを吸いたい人もいれば、会議の直前にさっと吸って気持ちをリセットしたい人もいるなど、たばこを嗜むシーンは人それぞれです。つかの間の一服の度にコーヒー代を払いたくないという方には、誰でも無料で利用できる併設の喫煙所を利用してもらうこともできますし、カフェの混雑度などをWEBサイト上でリアルタイム公開することで不用な待ち時間を極力なくすことにも尽力しています。キャッシュレスの徹底やサブスクを導入するなど、会計時の“時短”もお店の特長の一つです」
スモーカーズカフェ・ブリケ

併設されている無料の喫煙所。カフェ利用客以外も使用できる(店舗提供写真)

会計は完全キャッシュレス対応

スモーカーズカフェ・ブリケ

Webサイトで混雑具合を確認できる(店舗HPより)

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“Good Smoking”というミッション
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