年収25億円!世界一のキャリア女性とは(書店員のビジネス本企画)
出版不況と言われる昨今。でも、企画さえよければ売れるはず。てなわけで、「実現困難だけど、こんな本なら絶対売れる!」というドリーム企画を目利きの皆さんに披露してもらいましょう!
●田中大輔氏
「フェイスブック社ナンバー2のシェリル・サンドバーグに注目です」
“日本で最もビジネス書が売れる”と言われる丸善・丸の内本店の名物書店員、田中大輔氏がまず妄想したのはやはりビジネス書。
「もう不可能ですが、スティーブ・ジョブズの斬新なデザインの発想は飛び抜けていましたから、『スティーブ・ジョブズ シンプルの魔法』。iMacやiPadを生み出した秘話を本人の言葉でまとめれば、また爆発的に売れるはず」
フェイスブックを創り出したマーク・ザッカーバーグは「彼本人が執筆したビジネス書はまだ出ていないので売れそう」とのことだが、それ以上に田中氏が着目するのがシェリル・サンドバーグだ。
「マッキンゼー&カンパニーでの手腕や米国務長官の首席補佐官としてのキャリア、そしてグーグル副社長時代の功績が評価され、現在はフェイスブックのナンバー2となっている女性です。今、世界一のビジネスウーマンですから、彼女が『それは私がやりました シェリル・サンドバーグ』なんてタイトルで女性向けのキャリア本を執筆すれば、ザッカーバーグの本より反響が大きいでしょうね」
ちなみにシェリル・サンドバーグ氏の2011年の報酬は、ザッカーバーグ氏を上回る約3000万ドル(約25億円)だったという。
◆東野圭吾×伊坂幸太郎タッグでWミリオン!
国内にも目を向けてもらうと、2人の大物芸人の名が挙がる。
「タモリと明石家さんまが話術についての本を書く。タイプは違いますが、お二人とも相手から話を引き出す才能と、視聴者をトークに引き込む才能がやはりすごいですから。タモリは『あした来てくれるかな? ~タモリの聞く力~』、さんまは『ホンマでっか ~明石家さんまの引き出す力~』と冠番組を彷彿させる本がいいですね」
共著にすればそれぞれのファンが買うから部数も倍増?
「いえ、共著は単純に両方のファンが買うとは限らないんです。ただ共著ではないですが、東野圭吾と伊坂幸太郎がタッグを組んで、同じ軸を持った物語を別視点で描く小説を両作家が出したら絶対売れますよね。たとえば東野圭吾のガリレオシリーズの事件を、伊坂幸太郎が死神シリーズとして別の視点で書くとか。これなら両方のファンがどちらも買ってくれそうなんで、2冊ともミリオンヒットなんて現象も起こりえますよ」
【私の企画案】
タモリ 著
『あした来てくれるかな?~タモリの聞く力~』
東野圭吾×伊坂幸太郎 著
『死神とガリレオ』
【田中大輔氏】
’80年生まれ。ビジネス書に精通する丸善・丸の内本店の名物書店員。自己啓発書の棚担当を経て現在は和書フロアの売場長補佐を務める
イラスト/カネシゲタカシ
― 編集者・書店員らが考えた[妄想ベストセラー]企画会議【2】 ―
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