取得は簡単!意外と稼げる[技能・資格]
◆インフラ、製造、日本人力が食える技能のキーワード
日本企業の海外競争力の低下による大規模リストラや、グローバル化による外国人雇用の促進など、雇用環境が大きく変わりつつある昨今、サラリーマンといえどもいつ食いっぱぐれるかわからない。今後の日本の雇用環境を踏まえて、持っておくと稼げそうな技能・資格をジャーナリストの渡邉正裕氏に聞いてみた。
「今後、日本の雇用に一番影響すると懸念されるのは、年間40兆円近い赤字を抱える日本の財政。破綻がクローズアップされれば景気悪化で、一般企業における労働市場は縮小。さらに、円安に乗じて中国や米国などの外国資本に日本企業を買収され、多くの企業の社員が日本人から外国人に入れ替わる可能性もあります」
外国資本が参入してきた場合でも、どのような資格を持っていると生き延びることができるのか。
「まず、電気・ガス・水道・交通などのインフラは、日常生活に絶対に必要なライフラインなので景気の煽りを受けにくい。また、インフラは国の要になる業界なので、仮に他業界には外国資本が参入しても、インフラ業界の日系企業はそのまま残り続けるはずです」
電気工事士や土木施工管理技士、フォークリフトやクレーンなどインフラに直結した資格を持っていれば、どんな状況でもニーズが減る可能性が少ないということだ。
一方で、こうした逆風を逆手にとれる資格もあるようで。
「逆風は逆転のチャンスでもあります。日本が財政破綻に近づけば、円安になる。そこで注目されるのが、海外輸出率が高いメーカー。海外輸出率の高い企業で職を得られるように、現場監督系や貿易関連資格を持っておくと、即戦力になれるでしょう」
具対的には、生産効率を上げる品質管理検定や、輸出入の通関手続きを行う通関士などが挙げられる。
そして、最終手段として、渡邉氏が提案するのは「海外で仕事を探す」という選択肢。
「とはいえ、海外で言葉がおぼつかない日本人が普通に働くのは難しい。だから、日本人らしさに特化した技能の取得が重要です。日本人の手先の器用さは海外でも定評があるので、美容師はニーズが高い。また、日本人というだけで海外では絶大なブランド力がある寿司職人など、海外ニーズの高い技術資格があると有利でしょうね」
今後の日本の経済状況、雇用環境、需要のある業界を冷静に分析することで、難易度は高くなくとも「意外と稼げる」技能・資格が何なのか、おのずと見えてくるのだ!
◆渡邊氏オススメ資格はコレ!
<海外に行くなら>
寿司職人、美容師
<インフラ系なら>
土木施工管理技士、電気工事士、電気主任技術者、建築施工管理技士、クレーン運転士、フォークリフト運転者
<製造管理なら>
品質管理検定、通関士
【渡邉正裕氏】
ニュースサイト「My News Japan」編集長。雇用・労働問題にも詳しい。著書に『10年後に食える仕事 食えない仕事』など
イラスト/サダ
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