[幼稚園と保育園]こんなに違う地獄格差
― ドラマより怖い![ママ友地獄]の阿鼻叫喚【7】 ―
ママ友地獄を描いたドラマ『名前をなくした女神』が話題を呼んだが、調べてみると決してデフォルメではないことがわかった。そして、取材を進めていくなかで、見えてきたことがある。それは、「コミュニティによって、トラブルの頻度がかなり違ってくる」ということだ。
河本恵美さん(仮名・35歳)さんは、子供を公立の幼稚園に通わせている。
「公立は月謝が安いのがいいところ。ただし、お母さん参加型の行事がとても多いのが難点なんです。私立だったら、お母さんは子供がバスに乗るのを見送れば、あとはお任せしてシャットダウン。でも公立の場合は、お手伝いなどに駆り出されて、交流する機会が増えるぶん、仲良くもなるけど、トラブルも多くなるんですよ」
私立幼稚園によっては、母親同士の交流をあえて抑えるため、送迎時に園内で母親同士の立ち話を禁止しているところもあるという。
●ママ友地獄がイヤなら保育園
幼稚園ママと違い、「ママ友=地獄」という構図は、保育園ママには当てはまらないようだ。子供を保育園に通わせている水原弘子さん(仮名・34歳)は、「よく、独身の友達に『ママ友ってやっぱり大変?』とか『公園デビューって怖くない?』って聞かれるんですけど、『みんなそんなに暇じゃねえよ!』って思いますよ。基本、仕事をしている者同士なので、『ランチ会』だの『お茶会』だのしたことありません」。
むしろ、人間関係は保育園ママのほうがうまくいっているよう。
「どうしても残業しなければならないときや、はしかなど感染病のときは、保育園には預けられないので、すでに罹った子供同士をまとめて預かってくれるママがいたりと、それぞれの事情がわかっているんで、お互いさまというか、助け合い精神が旺盛なんです」
さらに、幼稚園でお馴染の「○○ちゃんママ」という呼称もあまり使わないとか。
「ウチは基本的に、母親当人の名前で呼び合います。年齢も職業もまったく違う、普通だったら出会わない者同士が、子供という共通点を持つことで、仲良くなろう、歩み寄ろうという姿勢になっているのかもしれません」
子供を思う気持ちは幼稚園のママも保育園のママも同じだろうが、仕事ひとつあるだけで、こういった差が出てくるのか。
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