女子大生が抱える【男性への不信感】
男性の草食化が叫ばれて久しい。しかし、草食化しているのは男性だけではなかった。最近発表された日本性教育協会の調査によると、’74年から上昇を続けていた女子大生のSEX経験率が、’11年に61.1%から46.8%と、約14ポイントも減少。約53%の女子大生が処女という結果になった。なぜ彼女たちは処女なのか。処女女子大生たちの本音に迫ってみよう。
◆「男性恐怖症」が原因
男性そのものへ不信感を抱える処女女子大生たちがいる。
「高校生のとき、知らない男からいきなり『可愛いからずっと追いかけてきた』と笑いながら迫られてそれがトラウマになった。男の人が顔を近づけてくるだけでも、ちょっと怖い……」(好恵さん・仮名・20歳)
大学に入り、その男性恐怖症を多少克服していた好恵さん。だが、「男女交じって家飲みしていたときに、その日初めて出会った男にいきなりキスされた……最悪」。
大学生ならありがちな悪ノリに思えるが、彼女にとっては一大事。その一件以降、世の中の男性すべてに固く心を閉ざしてしまった。
続いては高校時代、付き合っていた彼氏にベタベタと執拗に触られたのがきっかけで、男性への嫌悪感がうまれてしまったという萌さん(仮名・20歳)。なかなかイヤとは言えずに我慢し続けていたとか。「あれ以来、男性と特別な関係になるのが怖い」と深刻だ。
一方、彼氏でもない男性に、性の対象として見られたのがショックだったという処女も。
「何でも話せる男友達だと思っていた人に、キスやひざまくらを強要された。どうしてそんなことするんだろうって大泣きしましたね」(ゆりさん・仮名・20歳)
その可愛らしい外見からナンパもよくされるそうだが、男性がむやみやたらに女性を口説くのが理解できず、男性不信に。
「恋愛感情抜きで男のコと仲良くしたいのに。それとも、すぐにSEXできる女のコだって思われているのかな」(ゆりさん)
男性に対して不信や嫌悪感を覚え、SEXはおろか男女交際すら危ぶまれる処女たち。精神科医の香山リカ氏によると、若い女性には“暴走する男性”をいなす余裕がなくなってきているという。
「女性に対して、稚拙なコミュニケーションしか取れない男性というのは昔からいました。でも、『男ってガキだなあ』と流して、むしろ男性を育ててあげられるくらい余裕のある若い女性が減ったんだと思います。男性不信の処女女子大生たちは、同世代の男性だけがすべてと思わずに、年上で落ち着いた男性と接する機会を増やすといいかもしれませんね」
【香山リカ氏】
精神科医。精神病理学を専門とし、豊富な臨床経験から現代人の心の問題を中心にさまざまなメディアで活動を行っている
― [女子大生の処女率急上昇]の謎を追う【4】 ―
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