寝泊りできない!? パリのネットカフェは間仕切りなし
―[[ヨーロッパIT事情]見聞録]―
IT大国といえば、アメリカや韓国、インドあたりが思い浮かぶところだが、一方であまりピンとこないのが「ヨーロッパ」。あちらのデジタル事情はどうなっているのか? 9月の連休を利用してパリ&ロンドンを訪れた本欄編集担当Fが、現地のデジタル事情をゆるりと見聞。それなりに感じられたカルチャーギャップの数々をお届けする。
◆パリのネットカフェに難民はいなかった……
【ヨーロッパ1日目】
パリ、シャルル・ド・ゴール国際空港に到着。市内へのアクセス手段は“高いけど速い”タクシーをチョイス。……が、これが大誤算! 夏のバケーションでヨーロッパ各地へ出かけていた人々が一斉にパリへ帰ってくるシーズンということで道は激混み。一向に進まぬ車内で、やおらスマホをいじりだす運転手……。
フランスでも運転中の携帯電話使用は禁止されているはずだが、運転手は道が流れ出してからもスマホを手放そうとせず。ナビを見るとかならわかるが、延々ツイッターは勘弁して!
数年前の調査によると、フランスで起きた交通事故死の原因の第4位が携帯電話の使用らしい。罰金が35ユーロ(約3500円)~というのが安すぎるのでは……。初日からスリリングだ。
【ヨーロッパ2日目】
パリ観光のハイライト、ルーブル美術館へ。ここが素晴らしいのは、タダでWi-Fiが使えること。パリの街中ではスターバックスなどでも無料Wi-Fiを提供しているので、パケット通信になるべくカネをかけたくない人にとってはありがたい存在だ。
それ以上に、美術館内でWi-Fiが使えるメリットは「見たい作品を効率よく見て回るのにすこぶる便利」という点。ルーブルの公式サイトでは、主な収蔵品(メジャー、マイナー問わず)の展示場所を詳細に公開している。これをスマホやiPadで確認しながら見て回ると、大幅に鑑賞時間が節約できるのだ。世界最大級の美術館を探索するには欠かせないサービスと言えるだろう(ちなみに、ロンドンの大英博物館に無料Wi-Fiサービスはなかった……)。なお、ルーブルでは音声ガイドにニンテンドー3DSを採用していることでも有名だ(使用料金は大人5ユーロ=約500円)。
【ヨーロッパ3日目】
本欄のデスクが「ヨーロッパのネットカフェ事情」を知りたいと言っていたのを思い出し、ホテルの近所のネットカフェを覗いてみる。ここにも難民が溢れているのだろうか……と思いきや、日本の漫画喫茶のようなくすんだ雰囲気は皆無で、学校の視聴覚室のようなクリーンな空間。
個室はおろか、席の間の仕切りすらない。一応24時間営業ではあるが、ここで寝泊まりするのはかなりハードルが高い。思えば、日本でもネットカフェの黎明期はこんな感じの空間が多かったような……。いつから“仕切る”のがお約束になったのだろうか。
オンラインゲームを楽しむ面々も、仲良く横に一列に並んでプレイ。アメリカや韓国でもブレイク中の陣取りアクションゲーム『リーグオブレジェンド』が一番人気らしい。
⇒【後編】へ続く「約5000円で2500分の無料通話付き。ロンドンのスマホ事情」 https://nikkan-spa.jp/314787 ― [ヨーロッパIT事情]見聞録【1】 ―
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