「過払い請求」の次は「既払い請求」ビジネスがくる
グレーゾーン金利という消費者ローン業界の隙をつき、多くの弁護士、司法書士事務所はこの数年間過払い請求を食いぶちとしてきた。しかし、金利を多く払い過ぎた消費者の数は激減し、ブームは収束に向かっているというのが大方の見方だ。
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そんななか“次の一手”と注目されているのが既払い金返還ビジネス。「既払い」とは耳慣れないが……。
「過払いの次に来るのはコレ。すでに取り組み始めている弁護士事務所も少なくない」
そう語るのは、都内で司法書士事務所を営む荻原武さん(仮名)。
「既払い請求とは文字通り“既に支払ったお金”を返還するよう法律のプロが働きかけることで、デート商法や絵画商法、悪質な訪問販売などの被害者にとって福音になる可能性がおおいにある。というのも‘09年12月に割賦販売法が改正され、こうした詐欺まがいビジネスの被害者がお金を取り戻すことが格段にやりやすい環境になったのです。適用範囲は広く、カツラメーカーとの高額契約やマルチ商法、競馬情報サイトなどに支払ったお金も取り戻せる可能性があるのです」
過払い請求でも最高裁の判決が大きな潮目となったが、この既払い請求でもポイントとなるのはやはり法律。割賦販売法の改正によって、悪徳業者からではなくその取引で使用した信販会社やクレジットカード会社からお金を取り戻せる目途が出てきたのだという。
「例えば絵画商法では、街で声をかけられて展示会に連れて行かれ、あの手この手で数百万の絵を買わされます。『今現金がない』と言っても信販会社への加入を勧められ、その場でローンを組まされ、買わされてしまうことがまかりとおっていた。ところが今回の法改正は消費者保護が軸足で、不当な契約であることが立証されれば代金を調達した信販会社やクレジット会社に返還請求できるのです」
もっとも、信販会社らも手をこまねいている訳ではない。荻原氏が語気を強めて語った。
「彼らは目下、悪徳商法の事業者との加盟店契約を続々と打ち切っています。ただ、既払い金請求は過去5年まで遡れる。悪徳商法の年間被害額は約2000億円といわれてますから、単純計算しても1兆円が眠っている。これからが正念場になるでしょう」
「既払い専用の相談窓口として、社団法人やNPO法人も出始めている。ブームはすぐ」(荻原氏)
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