株高・円安の波に今から乗っても大丈夫な理由
一部のスゴ腕トレーダーや敏腕投資家がいち早くトレンドをキャッチして、大儲けすることに成功したアベノミクスによる株高・円安。この波に今から乗っても大丈夫なのか?を検証する
◆株高・円安の波に今から乗っても大丈夫な理由
昨年11月時点では、9000円前後だった日経平均が1万2000円を突破。リーマン・ショック前の水準にまで戻ってきた。
一方、同一期間の為替を見てみると、ドル/円は1ドル80円前後だったものが96円を突破。100円を目指す動きになっている。
いわゆるアベノミクスへの期待で、株高・円安が続いているが、この流れはまだ続くのだろうか?
「年末に日経平均1万5000円もあると見ています」とは、株式評論家の櫻井英明氏。そもそも今回の株高は、単なるアベノミクスへの期待だけではないと氏は語る。
「アベノミクスで、景気が回復するから株価が上がるのではなく、株価が上がるから景気が回復するという構図ができつつありますが、それ以前の昨年11月の段階で、景気は底を打っていました。それは企業業績の回復度合いから見ても明らか。民主党政権のままでも、株価は上昇に転じていたでしょう。もちろん、安倍晋三・自民党総裁(当時)の発言が追い風になったのは事実。だからといってアベノミクスのおかげで株高、と決め込むのは早計です」
⇒【グラフ】グングン上昇する日経平均 https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=408722
要するに、仮にアベノミクスの効果に陰りが見えても、それで今回の株高がおしまいではないという。では為替はどうだろうか?
「月足チャートで見ると、ドル/円は’07年から続いている長期の下落トレンドから脱し、上昇トレンドに入りました。長期で見れば緩やかな円安トレンド入りしたことは間違いない」とは、アナリストの小川佳紀氏だ。
「雇用統計をはじめとした経済指標の改善からも見て取れるように、今年後半にかけて、アメリカ経済の回復は進むでしょう。そのため、米ドルには、今年1年を通して買われる要因があります。要するに積極的なドル買いの材料が、今後も出てくると思います」
為替も、円安トレンド継続と見て間違いなさそうだ。
「今のアベノミクスによる株価上昇は、郵政解散で株高・円安が進んだ小泉政権時代と似ています。あのときも2年弱、株価は上昇しました。当面は、新体制になって初めて開かれる4月の日銀金融政策決定会合で、’14年から始まる無制限の金融緩和が前倒しされるサプライズはあるのかなど、日銀の動向に注目です」(小川氏)」
こうしたなか、初心者が取り組むべき投資は、どんなものがいいのだろうか?
⇒「30万円から始めるアベノミクス投資」に続く https://nikkan-spa.jp/408692
【櫻井英明氏】
ストックウェザー『兜町カタリスト』編集長。日興證券、ネット証券、『株式新聞Weekly』編集長を経て’08年7月から現職
【小川佳紀氏】
フィスコ株式リサーチ部アナリスト。中堅証券会社を経て現職。中小型株や新興市場株の分析から為替相場の動向まで幅広く担当する
― まだまだいける!30万円から始めるアベノミクス投資【1】 ―
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