GW真っ只中に一人で遊園地に行ってみた
「一人で遊園地に行ってみる」。そう決めて早起きしてからも、数時間部屋で逡巡していた。“ぼっち”100人以上への取材で、遊園地は数あるレジャーのなかでも、「一人で行く気になれない」との声が圧倒的だった。「行ってみじめだった」ではなく、行ってすらいないのだ。もしかしたら単なる行かず嫌いなだけかもしれない。確かめるべく、意を決して電車に乗った。
都内某遊園地。時はGW真っ只中。どの乗り物に乗ろうかと地図を片手にのんびり歩くカップルや家族連れの中に何食わぬ顔で混ざる。行列に一人で並ぶ際は、「乗り物に弱い彼氏がそこで待っていて、仕方なく一人で乗るだけですからね」と聞かれてもない架空のストーリーを設定し、“仕方ない”表情で順番を待つ。
そして、絶叫マシンに一人で乗り込んだのだが……、怖い……! 怖すぎる! もともと絶叫系には強い自負があった筆者だが、味わったことのない恐怖が押し寄せた。絶叫系は一緒に乗る相手がいることで怖さが紛れていたのだ。一人でキャーとも叫べず、ただひたすら恐怖を飲み込むだけ。並んで、乗って、を繰り返すうちに、何らかの精神修行のような気すらしてきた。ただ、軽めの乗り物ですら恐怖が倍増するので、コスパはいい。絶叫系に強いと思っていた尊大な気持ちはすっかり洗われ、日が暮れる頃には、当初感じていた遊園地にいる恥ずかしさなどは乗り物の恐怖で吹っ飛んでいたのだった。
5/14発売の週刊SPA!「“ぼっち” 休日動態調査」では、このように休日に一人で遊びに行く人たちの調査を実施。一人で過ごすことを「ぼっち」とネタ化するメンタリティや、“ぼっちレジャー”の「OK/屈辱」の分水嶺を探った。 <取材・文・撮影/朝井麻由美>
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