アラフォーがうつ病になりやすい6つの原因
厚生労働省のデータでは99年の約44万人から11年の95万人と、この10年ほどで絶対数が2倍以上に増加しているうつ病。男性の場合は40代の割合が最も多いのだが、何故40代男性はうつになりやすいのか? うつ病を専門とする防衛医科大学校精神科教授の野村総一郎氏は以下のように分析する。
「もともと40代男性は、体力が衰えてきたり、家族への責任が生じてきたり、親の死や介護に直面したりと、うつになる要因が多い年代。出世レースの結果もある程度見えて、プライドと折り合いをつけなければならないのも、自負心の強い男性にとってはつらいですよね。加えてここ10年ほどの急激な労働環境の変化が、アラフォーをますますうつになりやすい状況へと追い込んでいます」(野村氏)
非正規雇用の増加、リストラ、降格や減給も当然の成果主義……。こうした労働環境の変化に対応できないアラフォーがうつへと追い込まれていくのだ。
「あとは単純に、精神科に受診に行くことのハードルが下がり、昔より気軽に受診できるようになったため、うつ病と診断される人数が増えたこともあります。うつが他人事ではない身近な病気として認知されるようになったのはよいことですが、診断も受けずに”うつっぽい”と言う人が増えると、本当に困っている患者に対して”あいつも怠けているだけじゃないのか”という悪いイメージがつきかねないので、その点は注意が必要かもしれませんね」(野村氏)
<アラフォーがうつになる6つの原因>
・やる気はあるのに体力が衰えて、過重労働についていけなくなる
・守るべき家族、住宅ローンなどがあり、仕事から逃げられない
・出世レースの結果が見えてきて、プライドの棚卸しを迫られる時期
・中間管理職として上司とも部下ともコミュニケーションが必要
・管理職もプレイングマネジャーとしてむしろ負担が増える時代
・配偶者との離婚、親の死といった、うつのトリガーが重なりやすい
【野村総一郎氏】
’49年生まれ。防衛医科大学校病院長。うつや双極性障害が専門で、読売新聞では人生案内の回答者を長く務めている。主な著書に『うつ病の真実』(日本評論社)など
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