サラリーマンの8割はうつ予備軍
厚生労働省のデータでは’99年の約44万人から’11年の約95万人と、この10年ほどで絶対数が2倍以上に増加しているうつ病。男性の場合は40代の割合が最も多くなっている。
「『会社は私に何もしてくれないんですね。わかりました。今から死にます』なんて脅迫まがいのメールを送りつけてくる会社員も増えてますからね。見てしまった以上、医師としてはもちろん対応せざるをえないのですが……」とは多くの有名企業の産業医として、サラリーマンのうつ病の症例を見てきた榛原藤夫氏(仮名)。匿名を条件に各業種のうつ病の実態を明かしてくれた。
「サラリーマンの8割はうつ予備軍と言っても過言ではないでしょうね。適度なストレスは仕事の生産性を高めますが、一定以上のストレスは、生産性を低めるだけ。現在は、多くのサラリーマンが、図1(※)でいう抑うつ状態になる危険性のある、過度なストレスのなかで働いているんです」
※【図1】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=445654
榛原氏によると、うつを生む職場環境は4つに大別できるという。
「図2(※)のように、仕事のストレスは、“仕事の要求度”と“仕事の裁量・上司の支援・報酬”とのバランスで決まります。ストレスが多く、うつを生みやすいのは、まず要求度は高いのに報酬が低いブラック企業型。次に、報酬は高いが、常に実力以上の働きを求められ、達成できなければクビ、という外資企業型。そして、カリスマ的トップの下、外資企業型の働きを求められる中間層と、ブラック企業型の働きを求められる下層が混在する新進イケイケ企業型です」
※【図2】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=445655
ストレスが少なくてもうつを生む職場環境もある。
「報酬は高いのに、仕事の要求度は限りなくゼロに近い、昔でいう窓際族。給料が高いから辞められないけど、仕事はなくて、周りにもバカにされている。今どき役にも立たない窓際族を飼っておけるのは、企業にゆとりがある証拠。敬意をこめて“最後の楽園型”と呼んでいます(笑)」(榛原氏)
現在もっとも多いタイプは?
「最後の楽園型が多かったのが、企業に余裕がなくなり、新進イケイケ企業型の職場環境へと変革を迫られている過渡期の状態ですね」
職場環境の急変によってストレスがたまってうつが増えていく……これがアラフォーサラリーマンをうつに追い込む構図なのだ。
⇒【仕事環境別うつの分類】はコチラ
https://nikkan-spa.jp/445631 【榛原藤夫氏(仮名)】 社員の健康管理を専門とする産業医として、現在まで10社以上の企業での産業医に従事。うつ病で休職中のサラリーマンの復帰を支援するリワーク制度にも関わっている ― 「8割の会社員がうつ予備軍」の衝撃【2】 ―
https://nikkan-spa.jp/445631 【榛原藤夫氏(仮名)】 社員の健康管理を専門とする産業医として、現在まで10社以上の企業での産業医に従事。うつ病で休職中のサラリーマンの復帰を支援するリワーク制度にも関わっている ― 「8割の会社員がうつ予備軍」の衝撃【2】 ―
ハッシュタグ
日刊SPA!の人気連載