皮脂、汗だけじゃない新種の匂いとは?
夏場にいや応なしに気になってしまうのが、体臭の存在。もちろん周囲の匂いも気になるが、同時に自分も誰かの脅威になっている可能性も忘れてはいけない。汗・皮脂や衣服、さらには新たな要因まで……。この時期の“見えない敵”に打ち勝つ方法とは?
◆凶悪な匂いの原因は日常生活のなかに潜む!
⇒【前編】「男性の匂い対策」女性の90%は「不十分」と回答 https://nikkan-spa.jp/480713
原因は皮脂や汗だけでなく、“新種”の匂いが新たに発散中という現在。まずは“新種”の匂いについて、体臭治療で知られる五味クリニックの五味常明氏に聞いた。
「まずは『疲労臭』ですが、これは運動した後や疲労が溜まっているときに発する匂いです。通常、疲労時には体内では有害物質のアンモニアが作られます。健康な人なら肝臓でアンモニアは尿素に分解され、体外へ排出される。でも、疲労があまりに溜まると肝機能が低下し、皮膚からアンモニアが放出されるため、おしっこのような悪臭を発してしまいます。対策としては、シジミなどのオルニチンを含む食べ物を多く摂ること。また、毎晩ゆっくり風呂に入るなどして、寝る前に血行を良くして疲れを翌日に残さないように注意することです」
続いては、「ダイエット臭」。
「行きすぎたダイエットが続くと、空腹時に口や体から甘酸っぱい匂いを発することがあります。極端な食事制限などによる無理なダイエットが続くと、体内にケトン体という匂い物質が合成され、血中に増加。すると、肌から『ケトン臭』と呼ばれる甘酸っぱい匂いを発することになります。この匂いは、代謝がうまくいっていない証拠です。ダイエット中なら、すぐに方法を見直し、もっと体に負荷をかけないやり方に切り替えることをお勧めします」
早めに手を打たないと、ダイエットをやめて体重が元に戻っても、この匂いだけが残り続けることがあるそうなので要注意だ。
「そして、『若年性加齢臭』ですが、元来、加齢臭とは年齢を重ねると分泌されるノネナールという物質が原因です。ところが、近年20~30代であっても、このノネナールが大量に分泌され、加齢臭を発するケースが増えています。原因は、バランスの悪い食生活や運動不足、喫煙などの不摂生な生活など。仕事でストレスが多い人や、肉や脂っこい食事が好きな人、また生活が不規則な人などに多く見られます。対策としては、生活改善の一言に尽きます。和食中心の食事に切り替えたり、運動して適度にストレスを発散したりすることで、匂いを改善できるでしょう」
匂いの源は体の内側にあり。体臭は、デオドラント剤や体を洗うだけでは防ぎきれない。本気で取り組むなら、自分の生活スタイルを見直す覚悟が必要なのだ。
【五味常明氏】
五味クリニック院長。ワキガや体臭、多汗症などの治療と対策を行う。著書に『気になる口臭・体臭・加齢臭』『デオドラント事典―気になる“カヲリ”を予防しよう!!』など多数
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『デオドラント事典 ― 気になる“カヲリ”を予防しよう!!』 匂いでわかるあなたのビョーキ |
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