更新日:2013年09月12日 10:37
デジタル

“えんがわオフィス”を開設するIT企業の狙いとは?

徳島県神山町にサテライトオフィスを開設するIT企業が増えている。IT系企業を魅了する取り組みと実態を、SPA!記者が取材した。 ◆7月1日にえんがわオフィスを設立したプラットイーズの取り組みと狙い
縁側

名称の由来ともなった、縁側でくつろぐ隅田氏と谷脇氏。隅田氏は「似た意識や感覚を持った企業が、神山町にサテライトオフィスを開設しているので、クリエイティブな仕事をするときにはお互い刺激になるのも魅力」とも

 東京に本社を構えるプラットイーズは、デジタルコンテンツサービスおよび、デジタルアーカイブの企画、開発、運用などを行う企業だ。そのサテライトオフィスとして、7月1日に古民家を改築して誕生したのが、通称“えんがわオフィス”である。 「ここでは、放送局やコンテンツ会社から番組情報を受け取り、そのデータを独自のシステムで編集したり、加工してユーザーに配信する業務を行っています」とは、センター長代理を務める谷脇研児氏。現在、株式会社えんがわの部署は1つだけだが、ゆくゆくは人手を増やしながら、「本社でやれる仕事はすべてえんがわオフィスでやれるようにする」そうだ。  また、プラットイーズの取締役会長で、えんがわオフィスの代表取締役社長を務める隅田徹氏は、「本社と同じ仕事を行いながら、ローカルオフィスに向いた仕事を発見していきたいと思っています」と語ってくれた。しかし、えんがわオフィスの役割は、いわゆる本社のバックアップセンター機能だけに留まらない。隅田氏によると、「えんがわオフィスで、次世代高画質放送“4K”、“8K”のアーカイブ事業を行う」というのだ。  4Kは現行のフルハイビジョンの4倍、8Kは16倍の画素数を持つと言われており、次世代のテレビ規格として国内外で開発された新技術だ。プラットイーズは、えんがわオフィスの敷地内に設けたサーバー棟に映像データを保存。神山町で配信実験を開始し、ケーブルテレビ網を利用して県内全域に広げる計画で、今夏の徳島市の阿波踊りを専用カメラを使い、4Kで撮影する準備が進行中だ。 「日本のローカルから、世界に通じるようなハイエンドな仕事を提供したい」と語る隅田氏。神山町にサテライトオフィスを集める取り組みも、えんがわオフィスの4K、8Kの実証実験も、まだ動き始めたばかりなので、今後の動向から目が離せない! 【株式会社プラットイーズ】 事業内容:デジタルコンテンツサービスおよび、デジタルアーカイブの企画、開発、運用など ⇒【写真】「えんがわオフィス」外観はコチラ
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=498033
株式会社プラットイーズ築60年の古民家と蔵を改築して生まれたえんがわオフィス。ガラス張りの外観は、近所の人に何をやっているのか知ってもらうために取り入れられた ⇒【写真】「えんがわオフィス」内部はコチラ
https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=496675
神山モデル古民家の内部は壁がほとんど取り払われており、開放感のある造り。また、壁には複数の液晶テレビがかけられており、さまざまな番組が放送されている 取材・文/黒田知道 ― IT企業が注目する[神山モデル]【3】 ―
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