「バスタオルは家族全員で使いまわす」は常識?
―[そのフツーは「普通」なのか?]―
何の気なしに口にする「フツーだったらさ~」というフレーズ。でもちょっと考えてみてほしい。その“フツー”って何だ? 平均か? 常識か? 大多数という意味か? 前提を共有しているからこそ成立する「普通」。所属する業界やグループごと、普通もいろいろなのだ
<ご家庭編>
「粉薬を飲むときは必ず、母親が味付けのりを出してくれて、薬の苦みは味付けのりで紛らわすのがフツーだと思っていた」(36歳・金融)という女性が、「オブラートに包む」という慣用句をどう理解していたのか気になるところではある。が、家庭は社会の最小単位。そこにもそれぞれの普通がある。
「家庭の味」と言うように、それが顕著なのは料理の違い。
「わが家の湯豆腐には豆腐・ネギ・白菜・しらたき・鶏肉・キノコや魚介が入っている。ちなみに、『今夜は水炊き』と言われても同じものが出る」(38歳・商社・女)、「酢豚には鶏肉。でも、呼び方はあくまで酢豚」(35歳・医療・女)。
“フツー”が普通でないことは、他との比較で明らかになる。すると、「実家の焼きそばは醤油味が定番。素麺の汁は温かいのがフツー。彼氏に作ってあげたら驚かれ、料理の前には必ず、レシピの説明を求められるようになった」(26歳・美容・女)なんてことにも。
そして最も多かったのが、お風呂場まわりに関してだ。
「バスタオルは実家では一人1枚だったので、嫁入り先で、家族全員で使いまわすのがすごく嫌」(29歳・主婦)といった別々派vs共有派の衝突があれば、洗濯頻度問題もある。「毎日交換!」(35歳・教育・女)を譲れない人と、「バスタオルはきれいになった体の水滴をとるだけなので、それほど汚れていない。1週間はイケるはず」(27歳・公務員・男)という人が、それぞれの“フツー”をすり合わせるのは困難だろう。
― そのフツーは「普通」なのか?【7】 ―
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