更新日:2015年02月10日 23:21
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横須賀ではかつてブルマをPパンと呼んでいた

何の気なしに口にする「フツーだったらさ~」というフレーズ。でもちょっと考えてみてほしい。その“フツー”って何だ? 平均か? 常識か? 大多数という意味か? 前提を共有しているからこそ成立する「普通」。所属する業界やグループごと、普通もいろいろなのだ <ご当地編> 銭湯 エスカレーターのどちら側をあけるか、ポリタンクの色は青か赤か、正月に食べる餅は丸か四角かなどは有名な話だが、東西、文化圏が違えば“フツー”も異なる。 「大阪の銭湯では湯船から掛け湯するのが普通だが、東京では湯船からお湯を取っただけで怒られた」(34歳・コンサル・男)とか、「関西ではデパートでも値切るのが普通だが、東京でやったら店員にも関東の友人にもドン引きされた」(31歳・主婦)など。西の常識が東ではマナー違反になってしまうこともある(逆も然り)。  学校生活にも地方色は出るもの。「群馬で授業前の挨拶は『起立、礼』ではなく、『起立、注目、礼』」(37歳・役者・男)という県があると思えば、「福岡では体育座りから『起立!』の号令で立ち上がるときに『ヤァー!』と叫ぶ」(27歳・自営・男)なんてところも。 「京浜工業地帯近くの小学校では、各教室に業務用の空気清浄機が設置されていた」(35歳・出版・女)、「愛媛では小学校でお昼休みにポンジュースを飲む時間があったが、関東に転校したら牛乳しか飲まないので驚いた」(38歳・派遣・女)とまあ、普通にはお土地柄が映し出されるのである。 ◆言葉に食べ物……普通の違いは文化の違い 体育館 方言の違いは当然あるとして、「横須賀では、かつて体育で女子が着用していたブルマのことを『Pパン』と呼ぶ。『PTA推薦パンツ』の略らしい」(40歳・IT・男)、「東京で『メイダイ』と言えば明治大学だろうが、名古屋市民にとって『メイダイ』と言えば、当然、名古屋大学」(38歳・製造・女)と普通に使われる略語も多種多様。 「神戸では『粗大ゴミ』のことを『あらゴミ』と呼びます」(38歳・一般事務・女)、「九州では狭い道で車がすれ違うことをフツーに『離合』と言いますが、全国区でないと知って驚いた」(31歳・流通・女)、「小学校の頃、岡山では『わら半紙』と言っていたものが、引っ越した相模原では『ようばんし』だよと笑われた」(38歳・IT・男)など特有の言い回しがあったり。  さらに、食文化の普通もさまざま。「大阪ではご飯のおかずにお好み焼きを食べる」(25歳・団体職員・男)、「北海道では赤飯に甘納豆がフツー」(31歳・主婦)というのはもはや、全国に知られる普通の違いだが、「秋田では、浅漬けやサラダや卵など、いろんなものを寒天で固めて食べる」(29歳・IT・女)、「山梨で『カツ丼』といえば、卵なしのカツとご飯。いわゆるカツ丼は『煮カツ丼』と呼ぶ」(44歳・映像・男)、「大分のから揚げは骨つきがフツー」(32歳・出版・女)などご当地色が表れる。  さらに目を広く海外に向ければ、ニッポンの普通が見えてくる。 「オーストラリアでは、アンダーヘアは剃らないと不潔な人扱いされる」(36歳・教育・女)、「イギリスに留学したとき、女性が日常的にTバックをはいていてビビった。ホームステイ先の女子中学生もTバックで驚いていたら、『は? フツーでしょ』と返された」(29歳・マスコミ・女)。  トコロ変われば普通も変わる。あちらの普通がこちらの普通ではない、ということは、普通によくあることなのである。 イラスト/こまつめ組 ― そのフツーは「普通」なのか?【5】 ―
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