増える密漁被害、もっとも密漁される魚ワースト5
―[[食の裏側]ランキング10連発]―
「食」に関する情報が溢れている昨今。今回SPA!では「食べログ」や「お願い!ランキング」ではわからない、食の危険性やニッチな話題をランキング化し、食に関する裏情報を追った。
◆知らないうちに密漁された魚介類が食卓に並んでいる!?
漁業関係者の頭を悩ます密漁。取り締まりは厳しくなったが、「一向に減る気配はなく、組織的な密漁が横行している」とは、海産物問屋を経営するB氏だ。
「オホーツク海やその周辺では、ロシア漁船がタラバガニを密漁しまくっている。しかも、それを正規ルートで輸出している。日本に流通するロシア産の80%以上は密漁ガニと思っていいでしょうね」
一方、日本の沿岸部でも国内の密漁団が暗躍。単価が高く、個体の小さいアワビやウニ、カキ、ナマコなど海産物が狙われるという。
「密漁団は10人前後で、潜って獲る人、監視役、運搬など役割を分担している。水揚げ量や何を獲ったかで儲けは変わるが、一日100万~500万円くらいになる。俺は密漁団から市場より2~3割安い裏相場で買い取り、付き合いのある店に流しています」
だが、最近は警察や海上保安庁も監視を強化しており、実際に検挙されたケースも増えている。リスクが大きいように思えるが……。
「密漁は『懲役3年以下、または罰金200万円以下』程度。密漁団の連中は『別に捕まっても痛くも痒くもない』って言ってますね。密漁した魚介類を買い取っているウチみたいな業者もナンボでも言い逃れできるし、バレたところでダメージは少ないですから」
しかも、B氏によれば密漁にならないポイントもあるという。
「発電所周辺の海は漁業権が放棄されているので良い場所ですね」
きちんとしたルートで水揚げされた水産物ならば放射性物質の検査もしっかり受けていて安全性は確保されているはず。しかし、密漁された魚だとしたら……。密漁は漁業者だけじゃなく、消費者にも関わってくる問題なのだ。
◆密漁が多い海産物 ワースト5
【1位】タラバガニ
密漁されたロシア産は大半が第三国を経由して輸入される
【2位】アワビ
ウニが獲れる場所に生息。高値の黒アワビは密漁団にも人気
【3位】ウニ
全国各地で密漁可能。あまちゃん人気で素人の密漁が増加
【4位】カキ
冬に獲れる真ガキより夏が旬の岩ガキが密漁団には人気
【5位】ナマコ
岩場などで簡単に獲れる。最も密漁しやすい高級食材
【海産物問屋社長】
某海産物問屋を経営しており、飲食店などへの卸売りのほか、直売店も複数展開。正規に水揚げされた魚介類、密漁された魚介類の両方を扱っている
― [食の裏側]ランキング【2】 ― ハッシュタグ