「爆発しない携帯をください」中国トラベル会話集に爆笑
海外旅行に出かけるなら、買い物や食事の注文ができる程度の語学力は身につけておきたいもの。しかし、現実にはなかなか難しい。そういうときに役立つのが、いろんな例文の載ったトラベル会話集である。書店に行けば、いろんな国のトラベル会話集がいくつも並んでいるが、そんななか異色のオーラを放つ一冊があった。
『爆発しないケータイをください、を中国語で言ってみよう』(近兼拓史・著/カネシゲタカシ・イラスト/宝島社)。何じゃこりゃ、と思いつつページをめくると、さまざまな中国語の会話例文が載っている。
<爆発しない携帯電話をください>のほか、<爆発しないライターをください!><iPhone8ではなく、iPhone5sをください><ここはスーパーですか、それとも難民キャンプですか?><朝一番の便は、夕方には飛びますか?><フタの開いてないペットボトルはありませんか?><この肉はネズミではありませんか?><新しくできた橋は最初に渡りたくありません!>など、普通のトラベル会話集ではありえない、でも中国でならいかにもありそうなシチュエーションでのフレーズが中国語とカタカナの発音、日本語訳と解説付きでズラリ。そう、これは中国ならではのトンデモ事件や国民性を、トラベル会話集の体裁で解説したジョーク本なのである。
「中国では日々『そんなアホな!』という出来事が起こります。そんなとき、ただこちらが驚くだけでは悔しいので、彼らに直接ツッコみたいと思ったのが、この本を作った動機です。あと、笑ってもらいながら、知らないとマジでひどい目に遭う“中国の常識”を知ってもらいたいなと。まあ、そのあたりは後付けの理由かもしれません。とりあえず酒の席で盛り上がるような中国トンデモネタを、ゆるーい気持ちで楽しんでいただければと思います」とは著者・近兼拓史氏の弁。近兼氏はB級ニュースサイト「ウィークリー・ワールド・ニュース日本版(http://www.weeklyworldnews.jp/)」編集長も務める。いわば東スポの海外版のようなものだが、本書に登場するネタに関しては「全部本当の話です」とキッパリ。
「ウソだと思ったらグーグル先生に聞いてみてください(笑)。中国では『絶対ウソだろ!』と思うようなことが実際に起こります。想像の斜め上を超えてくる出来事やニュースを楽しんでください」
では、近兼氏自身が本書の中で特に気に入っているものは?
「<あなたの量りは狂っています!(你的称有问题!/ニー デ チェン ヨウ ウェン ティー)>ですかね。これは中国生活で欠かせない言葉。相手の量りを信用するのは世界中で日本人だけです。中国4000年の歴史は商売の歴史でもあります。自分に有利な取引を行うために、一休さんもビックリの、あの手この手の知恵比べ。正しい正しくないではなく、一番賢い者が一番儲けるという競争社会は、野生の王国に近い自然の摂理を感じます」
これから初めて中国に旅行しようと思っている人に何かアドバイスをするとしたら?
「年間に地球3周以上するほど旅慣れた自分たちでも、ありえない出来事に遭うことがたびたびあります。それを悲観するのではなく、相手にやられてもうまくやり過ごしても『おお、この手があったか!』『その手はお見通しだぜ!』と、酒の肴に楽しめるような精神的余裕が欲しいですね。ロールプレイングゲームのように体験を重ねてレベルを上げていけば、強い敵も倒せるようになります。ただし最初はトラブルを避けるテクニックを覚えておくこと。そうすればどんなドラマや小説より激動のジェットコースターストーリーを楽しめるはずです(笑)」
ジョーク本ではあるが、ヘタなトラベル会話集より、ある意味、実用的かもね!? <取材・文/日刊SPA!取材班>
その名も
『爆発しないケータイをください、を中国語で言ってみよう』 チャイナ・クオリティにあ然としたらこの一冊 |
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