40代で気づいた「ある程度、あきらめること」の大切さ
―[40歳からの[正しい老け方]研究]―
“成長”ではなく“下降”が始まる40歳。老眼、白髪、加齢臭……我が身に訪れる老化現象。その変化に過剰に抗うでもなく、絶望するでもなく、ただ老いていくにはどうすればいいのか? 誰もが直面する「老化の受け入れ方法」を考えてみようじゃないか。
●岡田重明さん(仮名)43歳
【症状】加齢臭、老眼、四十肩
【自覚年齢】40歳
【処方箋】偶然のダイエット
婚約破棄、失業に老いの症状が重なり「抑うつ神経症」と診断が下るも、たまたま食生活が変わり、10kgのダイエットに成功。その経験から「ある程度、あきらめること」の大切さを知った観念型
◆あきらめていた四十肩も自然治癒。「待てば海路」で状況が改善
ポジティブになることだけが、正しい老い方ではない。それを教えてくれるのが岡田重明さんの話。
「35歳くらいから体力の衰えを感じるようになって、40歳になって体が朽ちていってるなっていう思いが強くなっていきました」
そう振り返る岡田さん。気づけば、自分の毛穴から老人のような臭いがする。メガネは合わなくなり、持病のヘルニアに加え、四十肩か、腕が上がらない。そんな自分ばかりか、田舎に残した両親の老いゆくさまも心にのしかかる。この間、岡田さんのストレスはピーク。実際、病院に行くと「抑うつ神経症」と診断された。
何もする気が起きない状態が続いたが、年初に通い始めた1150円の焼き肉食べ放題が転機に。
「自炊する気もしないし、食べ放題でお腹いっぱいにすれば、それ一食で済む。むしろ安上がりだと、節約も兼ねて週2で通うようになったんです。肉と焼き野菜を思いっきり食べていると、最後にご飯を食べる気がなくなるんですよね。結果として、炭水化物抜きダイエットになっていたみたいで」
結果、3か月で10kg減。これが、岡田さんを悩ませていた老いの症状にも奏功していく。
「なんていうか、着ていたウエットスーツを一枚脱いだような感じなんですよね。立ち上がるときに、手をつくこともなくなって、体が楽になったぶん、落ち込んでいった気分も相殺されたみたいで」
自分自身に変化は感じなくても、コンビニ店員の対応も変わった気がする。気づくと、四十肩もバンザイできるまでに治っていた。
「僕が痩せたのは偶然ですし、克服しなきゃって考えると、むしろ逆効果なのかも。ある程度、あきらめつつも待つことで事態は好転することもある。別に今がダメだから終わりというわけでもないですし。二歩下がって三歩進む感じでいいんじゃないかなって」
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