芸歴12年の「介護福祉芸人」。きっかけは高齢者施設のイベント
ジャンルや露出媒体の多様化で、コンセプトと売り出し方次第で誰でもブレイクする可能性が高くなった昨今。そんな芽のある女性たちの原石を各ジャンルからピックアップし、ここに一挙紹介!
◆芸人部門
芸歴12年、浅草を拠点に活躍する女性芸人メイミさんは、高齢者に笑いを届けながら介護福祉士としても働く「介護福祉芸人」だ。
「きっかけは高齢者の介護施設のお笑いイベントでした。それまでお年寄りというと、『経験豊富で何事にも動じない人たち』だと勝手に思い込んでいたのですが、実際に会ってみると、多くの人たちが体がどんどん動かなくなる怖さだったり、年を重ねるからこその不安と必死に闘っていたんです。『この人たちのことをもっと知りたい、笑顔にしたい』という思いが、すべての始まりでした」
思い立ったら即行動。選択したのは「芸人をしつつ介護福祉士になる」という前例のない道だった。
「現状を知るには現場に飛び込むのが一番だと思ったので、『じゃあ実際に働いてみよう』と。介護福祉士として現場でネタも拾えるし、一石二鳥なので(笑)。でも、お年寄りを笑わせるといっても、認知症だったり、耳が聞こえなかったり、理解してもらえなかったりと、症状によってネタの見せ方を全部変えないといけない。だから、コントや漫談の他にもインパクトがあって見た目だけで笑える早着替えなど、相手に合わせて試行錯誤して挑みました」
努力が実を結び、今ではファンレターを持って“出待ち”をする高齢者のファンもいるという。
「ファンレターは達筆すぎて読めないことも多々ありますが……(笑)。おじいちゃんおばあちゃんたちの動きは予測不能で、コント中に乱入されることもあって、アドリブ力も日々鍛えられています。超高齢化社会の今だからこそ、お年寄りには笑顔でいてほしいですね。『笑顔は副作用のない魔法の薬』をモットーに、これからも笑いを通してもっと日本の福祉を明るく楽しいものにするべく、全力で走りつづけます!」
【メイミさん】
介護福祉芸人。NPO法人笑顔工場理事長。高齢者の笑顔と共に、「一人でも多くの人に介護福祉に興味をもってもらいたい」と、介護漫談や早着替えショーなど精力的に活動中。ブログ http://ameblo.jp/meimi1111/
取材・文/青山由佳
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