更新日:2014年07月02日 09:10
仕事

中年のくさいニオイは「体からのメッセージ」

「スメル・ハラスメント」という言葉をご存じだろうか? 直訳どおり「ニオイによる嫌がらせ」なのだが、セクハラ・パワハラと根本的に異なるのが当人には迷惑をかけている自覚がない、ということ。我が身を振り返りつつ、汗ばむ季節の到来に対処していこう ◆中年のくさいニオイは体からのメッセージ
五味常明氏

五味常明氏

 体からのニオイはどうすべきか? ニオイの悩みに心と体からアプローチする五味クリニック院長・五味常明氏は「40代になってからの体臭は健康が損なわれているサインだと考えて、根本的に対処すべき」と指摘する。  例えば、気になるミドル脂臭。そのニオイ物質・ジアセチルは、汗に含まれる乳酸の代謝・分解によって発生するわけだが……。 「エネルギー代謝の回路=TCA回路(クエン酸回路)が酸素不足で不完全燃焼となると、ジアセチルのもととなる乳酸が作られます。また、疲労の蓄積や飲みすぎで肝機能が低下すると、アンモニアを尿素に変えるオルニチン回路が働かず、分解できなかったアンモニアが血液中にたまり、くさい汗となって出てくる。ミドル脂臭対策は、まずこの2つの回路の正常化からです」  まずは回路への“材料”の補給だ。クエン酸回路には酢や柑橘類、梅干しを、オルニチン回路はシジミが最適。入浴などで血行をよくし、エアコンの効いた室内ばかりにいないで、適度な運動をして“いい汗”をかける体をつくる。 「体からのニオイは体の目撃者。その証言にはちゃんと耳を傾けるべき。とはいえ、生活臭と呼ばれる誰もが個性としてもっているニオイまで無臭化してはいけません。ニオイは個性です。体のくささをことさら否定するのは、その人の個性の否定と同じなんです」 【五味常明氏】 五味クリニック院長。多臭多汗研究所所長。患者の心のケアと外科的手法の両面から治療。『デオドラント事典―気になる“カヲリ”を予防しよう!!』『体臭恐怖 体のニオイで人を恐れるあなたに』など、著書多数 <脱・くさい男!のための10の方法>
梅干し

梅干しでクエン酸を補給。適度な運動と合わせて、乳酸の発生を抑えよう

●室内換気はマメに行う ●洗えるものはこまめに洗濯 ●太陽の紫外線除菌を有効活用 ●室内干しは濡れた状態で、消臭剤をかける ●酢や柑橘類、梅干し、シジミを食べる ●シャワーよりも入浴 ●適度な運動をして“いい汗”をかける体をつくる ●疲れ、ストレスをためない ●効果を確認し、自分に合ったデオドラント剤を使う ●ニオイを気にしすぎない 取材・文/加藤カジカ 田山奈津子 古澤誠一郎 桜田容子 撮影/落合星文 ― [スメハラ]被害報告リポート【8】 ―
デオドラント事典

気になる“カヲリ”を予防しよう!!

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