更新日:2016年01月13日 17:51
仕事

テレビ局員の裏バイト、1点5000円でタレント写真を流出

1人の出入り業者によって持ち出された個人情報により、200億円もの損害を被ったベネッセコーポレーションを引き合いに出すまでもなく、いつの世にも、どんな組織にも不良社員は存在する。個人情報や企業情報の漏洩、商品の横流し、収賄にキックバック……その手口はさまざまだ。サラリーマンとして越えてはいけないラインを軽々とまたぐ“脱法社員”の生態に迫った! ◆番組ポスターで使用するタレントの写真をファンに流出
【テレビ局デザイナー】青木貴史氏(仮名・33歳)

【テレビ局デザイナー】青木貴史氏(仮名・33歳)

 ベネッセコーポレーションの顧客情報流出が世間を騒がせたが、業務担当者がデータを持ち出すケースは他にもある。  テレビ局で印刷物のデザイナーとして働く契約社員の青木貴史氏(仮名・33歳)が打ち明ける。 「番組ポスターやパンフレットを局内で制作しているのですが、使用する出演タレントの写真をUSBにコピーして持ち出しては、ファンの知人に1点5000円で横流ししています。セキュリティ対策は特に何もなされていないので、いつでも簡単に持ち出せる。ただ、出所が僕だとバレる可能性が非常に高いので、信頼の置ける知人限定ですけどね」  1回きりの特番用に撮影されたデータは、その希少性から欲しがる人が多いのだとか。また、写真データのみならず、プリントアウトをお願いされるケースも。 「既存ポスターと同じデザインで、小さいものが欲しいと言われたんです。制作したのは僕ですから、データは手元にある。社員が退社したのを見計らって縮小して出力しました。時間にしてほんの1分程度。たったこれだけでお金になるのなら、いいバイトです」  月の儲けは3万円前後。額の割に、リスクが高すぎると思うのだが……。 【テレビ局デザイナー】 デザイナー歴13年。デザイン系の専門学校を卒業後、印刷会社にDTPオペレーター兼デザイナーとして10年間勤務。その後、本格的にデザインの仕事をすべく現職に転職。テレビ番組関連の印刷物を主に担当している <中村得郎弁護士の見解> データを持ち出したことに関しては、窃盗罪は成立しません。ただし、場合によっては背任罪が成立する可能性もあります。出力した紙は会社の物なので、プリントアウトして持ち出していることから、この部分は窃盗罪にあたります <推定される判決> 懲役6か月/執行猶予2年 【中村得郎弁護士】 東京新宿法律事務所代表。労働問題、遺言、相続、離婚など、個人の法律問題を主に取り扱う。http://www.shinjuku-law.jp/ ※推定される量刑はあくまでも目安であり、その他の情状事実によって大きく異なります。 イラスト/西アズナブル ― [脱法サラリーマン]の悪知恵白書【2】 ―
おすすめ記事