更新日:2014年11月14日 09:25

マキタスポーツ「水曜日のカンパネラのコムアイは“エロくない壇蜜”だ」【vol.3】

マキタスポーツ氏とコムアイ氏の掛け合いのドライブ感がわかる、放送文字起こしを対談原稿化したものも掲載! 長い! 飽くまで「おまけ」なので、読む場合は覚悟して読むべし! ⇒【vol.2】はコチラ
マキタスポーツ氏

マキタスポーツ氏

コムアイ:もちろん、存じ上げてました。 マキタ:何で知ったの? コムアイ:『テレビブロス』の連載が一番最初ですね。あの(『テレビブロス』の)コラムのところが面白いから見てて、書きものの勉強とかにすごいいいから。量もちょうどいいじゃないですか。あのすごい短い分量に収めるのってすごい難しいから。でも、いっつも、一番情報量が多いなと思って読んでいて。 マキタ:僕の? 情報量はたぶん多いと思うんですよ。 コムアイ:なんていうのかな、文字数に対しての情報量がすごい多いな、と。つまっている感じがするから。だから、本(マキタ氏の著書『すべてのJ-POPはパクリである』)がしんどくて読み終わらなかったけど(笑)。 マキタ:散々持ち上げられてきたんだけど、(最終的に)ディスられた、今? あれ、おっかしーなぁ? コムアイ:(笑) マキタ:でも、確かに僕ね、そうなんですって。僕、あんまり意図してないんですよ。例えば『テレビブロス』の原稿なんかでいうと、1000~1200文字ぐらいなんですよ。(編集部から)それぐらいにしてください、って言われているんですよ。放っておくと2000字ぐらい書いちゃうから。だけど、そこまで文字量を落としたとしても、多分、内容というかな、情報の圧縮度具合っていうのは……。 コムアイ:そうなの。2000字分ぐらい書いてるっていう感じ。 マキタ:いつもそういう感じみたいなんです。 コムアイ:で、必要な情報だけで、でも読みにくくないように書いているのがすごい勉強になるから、読ませてもらっています。 マキタ:それはありがたいですね。で、今度はコムアイさんの話をしたいんだけど、あなた、何、サルサの魅力にとりつかれてキューバに行ったの? コムアイ:そうなんです。高校3年生のときなんですけど。 マキタ:あなたとサルサはなんか結びつかないねぇ、今の外見上。 コムアイ:今はそうですね、本当。ピースボートに関わっていたときがあって、ピースボートの事務所でサルサを教えている人がいて。それで、サルサに出会って、ものすごく楽しくなっちゃって、よく六本木とかのサルサバーとか行ってましたね。 マキタ:サルサってけっこう色っぽい踊りじゃない? コムアイ:そうそうそう。なんか品のない社交ダンスみたいな感じですよね。 マキタ:(笑)。そう言ったら身もふたもないけど(笑)。あの、こっちの感覚で言うところの「品」とかでははないよね。 コムアイ:そうそうそう。もちろん。でも、カジュアルとか言えばいいんですかね。すごい楽しいですよ。 マキタ:じゃあ、あなたできるの? サルサとか。 コムアイ:そう、覚えたんですよ。 マキタ:腰は? 腰。 コムアイ:腰がポイントなんですよ。私、あたし、腰がすごい柔らかいんで。 マキタ:うん。 コムアイ:ふーん!(妙な声を上げて突然、悶絶しはじめる) マキタ:ハハハ。どうしていきなり自分で自重したの? コムアイ:恥ずかしくなっちゃった。 マキタ:急に恥ずかしくなったの? 顔まっかっかになっちゃって。あなた、テンガ持ってきといて何、顔まっかっかになっているの、今さら。自分のサルサの話になったら。 コムアイ:「腰が柔らかい」とか恥ずかしい。ラジオで何を言っているんだろう……。 マキタ:意味がわからない(笑)。(恥ずかしがるのは)そこじゃねーだろ、絶対。そこじゃねーよ。違うと思いますよ。 コムアイ:恥ずかしい。 マキタ:水曜日のテンガネラ。 コムアイ:やめてくださいよ! 定着したらどうするんですか、それ(笑)。 マキタ:ねぇ。テンガネラが。おじさんも今、サルサが出てますよ。 コムアイ:それ以上、言わないでください。 マキタ:セクハラ返しをしておりますけど。で、キューバってどうでした? コムアイ:キューバは社会主義国なんですけど、あたしが想像していた江戸時代みたいなイメージに近かったです。 マキタ:キューバに関しては「時間が止まっている」とか、あなたと似たようなコメントをしているのを見たことがある。 コムアイ:懐かしい感じがするんですよ。 マキタ:江戸時代? タイムスリップした感じ? コムアイ:歩いていて、他人が他人じゃない感じがするんですよ。同じ通りに住んでいる人たち同士は、初めて会っても仲間意識があるというか。例えば、あたしがひとりに道を聞いたら、その人が周りの人に聞いてくれて、その人たちももともと知り合いだったかのように普通に絡んでくる。なんにも抵抗がないんですよね。 マキタ:そこには例えば、日本で言うところの「上から目線で言われた」みたいなギスギスしたものはないわけ? コムアイ:ないです。他人との距離感が、今の日本には絶対にない気がして。 マキタ:「炎上」とかないの? コムアイ:炎上? そう、炎上とかないないない。炎上しないですね。ネットがないんですよ。 マキタ:俺、観たことあるんだよ、キューバの映像とかでさ。信じられないような、もう、骨と皮だけになっているような車とか走っているじゃん。 コムアイ:そうそう。ロシア……ソ連とアメリカの車だけです。昔のね。昔のかっこいい車がたくさん走ってました。古い車を直して、なんかヘンな油で走っているからすごい臭いんだけど(笑)。 マキタ:で、キューバとか行ってみて、自分のアーティスト活動において何か影響ありましたか? コムアイ:まったく。 マキタ:一応、FM番組風に聞いてみたんだけど。 コムアイ:どうしたんですか? マキタ:いや、あんまりテンガの話とか鹿の解体の話ばっかりしてもしょうがないから。音楽番組なんだよ、これ。言っとくけど。 コムアイ:じゃあ、サルサとか今度やってみましょうか。カンパネラでサルサっぽい曲とかどうですかね? マキタ:(笑)。テキトーな返しをしやがって。ぜひ、やってくださいよ。でもね、話は尽きません。非常に面白いコですね。えー、最後にちょっとアルバムの告知をしっかりやってくださいよ。 私を鬼が島に連れてってコムアイ:そうですね、今度こそ。11月5日に4枚目となるアルバム『私を鬼が島に連れてって』をリリースしました。 マキタ:ハハハハハ(急に笑い出す)。ごめんね、話の流れ上ね、自然とそんな話にしたけれど、アルバムタイトルもしっかりしたものだけど、なんか、ちょっとごめん、笑っちゃったの、俺、今。「このコ、結局、何を言っているんだろう」っていうふうになっちゃったの。 コムアイ:一瞬ね。わかるわかる。「俺、今何しているんだろう」ってふと思っちゃうとき。 マキタ:『私を鬼が島に連れてって』って、「コイツ、酒乱か?」っていう気分になっちゃったの(笑)。 コムアイ:やめてくださいよ(笑)。ラジオパーソナリティに「酒乱か?」って言われるなんて、ひどーい。 マキタ:そうですね。『私を鬼が島に連れてって』というアルバムですけれども。 コムアイ:リリースしました。8曲、全部がA面みたいな感じにしようと思って作ったんですよ。で、本当に1曲、1曲が重たくなって、どれか1曲削るっていうのが難しい感じですね。それを目指して作ってみたはいいものの、ちょっと重たすぎるって言うか。全部の曲が「前に前に出るぞ」っていう感じなんで、疲れちゃうんですよね。だから、1曲ずつ聴いてもらうのがいいかな、と。 マキタ:ハハハ。自分でそういう切り売りの仕方まで(笑)。 コムアイ:そう、食べ合わせの悪いものがつまった弁当みたいな。 マキタ:ご自分で作ったものですよ? コムアイ:でも、1曲、1曲は本当にオススメっていうか。 マキタ:「唐揚げとウインナーと牛肉炒めたヤツにハンバーグが詰まった状態みたいなお弁当なんです」って。あなたがおっしゃっているのはそういうことですよ。 コムアイ:そういうことです。 マキタ: ハハハハ。 コムアイ:そうなの。でも、アルバムを通して聴かないかなと思って、今の時代。 マキタ:なるほどね。確かにそうなんですよ。 コムアイ:どうせバラで聴くし、好きな曲をお気に入りで聴くんじゃないかなって思って。曲単位で聴かれるんだったら、1曲でも気に入ってもらえるのがあればな、と思って、8曲バラバラな感じにしました。で、ジャケットをすごいこだわっているんで、ぜひ、店舗で見てほしいんですよ。 マキタ:そう、面白いよ。 コムアイ:『私を鬼が島に連れてって』ということで、旅行が今回テーマで、観光地にある顔ハメパネルをジャケットでやろうと思って、全部のページが絵本みたいに穴が開いていてですね……。 マキタ:「千利休」という曲は、僕、好きよ。 コムアイ:うれしい。ありがとうございます。 マキタ:僕はロジカルにリリックとかにこだわったりとか、頭の中に言葉が溢れちゃっているタイプなんだけど、それでも、あなたの天然素材としての声質とか、その質感がぐっときましたね。 コムアイ:うれしい。今後、どうやっていったらいいですかね、カンパネラは? マキタ:それ、収録終わったあとにゆっくり話しましょ。わかるよね? 僕が今、締めようとしているときにそんな高カロリーな話題を突っ込まないでくれる(笑)? けっこう、カロリー高い話を終盤にぶち込むっていうのは、ちょっとわけがわからない。やっぱり、あんまり空気とか読んでくれない感じが素敵だと思いますよ、はい。最後に、曲を紹介してください。 コムアイ:はい。最後に聴いていただくのは水曜日のカンパネラで『桃太郎』です。 マキタ:はい、本日のゲスト、水曜日のカンパネラのコムアイさんでした。 コムアイ:あ、あと3月29日にリキッドルームでワンマンライブをします。 マキタ:そんな恥ずかしそうに。リキッドに進出する、ということでしょ。 コムアイ:そうなんです。今、この話題になると一番お腹が痛くて。すっごいもう心配なんですよね。まだ、ワンマンライブもやったことがないんです。 マキタ:やったことないの? コムアイ:ツアーも対バンなんですよ、全部。これ、人が入らなかったら立場がないんで。 マキタ:じゃあ、鹿を埋め尽くしましょうよ。 コムアイ:あ、鹿だ! マキタ:キャパに鹿がウロウロしているライブ。 コムアイ:いいですね。人が埋まらなかったら鹿とか飾ってごまかして……。 マキタ:ごまかせるんでしょうか(笑)。リキッド、ぜひとも行ってあげてください。 【ラジオの感想】 ――今日の収録の感想を聞かせてください。 コムアイ:最後、プロポーズしちゃった。 ――は?(ちなみにマキタ氏は既婚) コムアイ:収録後にマキタさんに最近ハマっているものを聞いたら、「アウトドアにハマっている」って言っていて。「狩りはやってみたいけど、解体までは面倒見れないんだよね」って言ってたんで、「じゃあ、狩りをやってもらって、あたし解体しますよ」って言ったら、「原始人の夫婦だ」って言われて。 ――えっと、ラジオの感想を聞いているんだけど。 コムアイ:それがラジオの感想ですね。よかったです、だから。楽しかった、話せて。今度は、カンパネラの今後についてのアドバイスを聞きたいです。 構成/織田曜一郎(本誌)
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