「クレヨンの肌色」「ブルマー」学校から消えたもの…復活は?
教師や親からの「気持ち悪い」という声がきっかけで、ジャポニカ学習帳から昆虫の表紙が消えたことが話題に。釈然としない理由だが、いつの間にか学校から姿を見なくなったものはほかにもあった
◆クレヨンの肌色
色鉛筆やクレヨンの「肌色」は色名としては、’00年前後に消滅している。同色の現在の色名は、ぺんてる社が「ペールオレンジ」、大手他社は「うすだいだい色」だ。
「絵は見えたとおりの色で描くのが基本で、肌の色は人により千差万別です。画一的思考にとらわれず描いてもらいたいという観点から変更しました」(ぺんてる社広報)
業界関係者によると、「年々、日本にも外国人が増えていくなかで、肌色は使いづらい」という声があったそう。
◆ブルマー
ブルマーが消えた理由について、『ブルマーはなぜ消えたのか――セクハラの心と傷の文化を問う』の著者、中嶋聡さんは言う。
「ピッタリ型ブルマーは、東京オリンピックがきっかけで、学校現場にも導入されました。ただし、’85年頃から多様な運動着が現れてブルマーの必然性が薄れるとともに、個人主義・人権意識やジェンダー意識の高まりと、学校と教師の権威の低下とが相まって、潜在的にあった『恥ずかしくて嫌だ』という意識が表面化するようになったのです」
なくなった時期を境に、「したくないことはしなくてもよい」風潮が支配的になったと言う。「制服としてはかせる」権威も文化もない現状で、復活はなさそうだ。
― [あの定番商品]が消えていった理由【2】 ―
『ブルマーはなぜ消えたのか―セクハラと心の傷の文化を問う』 ブルマー誕生から消滅まで |
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