「上を目指すには人との出会いが大切」平成生まれのロックユニット・GLIM SPANKYの処世術
―[GLIM SPANKYの処世術]―
「媚びて媚びて媚びまくれ!」と、世渡りのコツを指南するテレビ東京・深夜ドラマ『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』の主題歌に抜擢されたのが、平成生まれのロックユニット・GLIM SPANKYだ。「ジャニス・ジョプリンの再来」と称される松尾レミは、赤いドレスを着た水原希子のCMで歌声を響かせ、世間を騒がせた。そんな男女二人が考える、若者なりの“処世術”とは……?
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●松尾レミ(REMI MATSUO/Vocal&Guitar/23歳)
●亀本寛貴(HIROKI KAMEMOTO/Guitar/24歳)
――長野県出身のお二人には、上京して自分たちなりに上を目指す、言い換えれば「出世する」ための“処世術”があるのでしょうか。
松尾レミ(以下、松尾):地元は本当にド田舎で、渋谷に行けばレコード店があって、イマドキの音楽が置いてあるみたいな環境じゃなかったんです。都会の人がどうかわからないけど、自分で思うそれ以上のものを、音楽だけじゃなくていろんな文化から学んで、普通じゃない人がいっぱいいる場所にとにかく足を踏み入れました。ただ、自分の家が音楽とか芸術には恵まれていたので、劣等感はなかったです。むしろ「いや、全然負けてないでしょ」って思ってましたね。
亀本寛貴(以下、亀本):今の時代は、音楽とか芸術の情報ってどこでもそんなに差はないじゃないですか。だけど東京には刺激的な人、おもしろい人がたくさんいて、やっぱり人の差がデカいなと思いましたね。特に音楽だと、自分のものにしてカタチにできる量は限られていて。だから少ない素材でも、しっかり深くやろうって考えてましたね。人から受ける刺激の方が僕には大きかったです。
――自分に刺激を与えてくれる人の存在は大きいですよね。
松尾:「メジャーデビュー」というひとつのスタート地点を目指すには、いい人に巡り合うことが一番の突破口だと思ってました。例えば事務所やレコード会社を決めるときに、何度も食事に行って、どれだけ私に思いを伝えてくれるのかを見てましたね。人との出会いがすべて、という部分もあるので。世の中うまくやっていくというか、上を目指すには人との出会いが大切なのかなって感じます。
亀本:世の中には、変な人とか「なんだコイツ」って思う人もいるじゃないですか。でも「こういう人もいるんだな」っていう経験値が積み重なることで、いい人と巡り合える嗅覚もつくと思っていて。音楽を作るうえでも、東京でいろんな人と出会えるのが一番の刺激になりますね。
――自分にとっていい刺激を与えてくれそうな人に出会ったら、自ら積極的にアプローチしますか?
松尾:行動に出るのは、その人のことを知ってからですね。一緒にいれば糧になると思ったら、分野は関係なくどんどん行きます。ファッションでも映画でも、芸術家でもミュージシャンでも同じ「ものをつくる」職業の人なので。
亀本:僕は、この世界でお互いにずっと何年も生き残っていれば、絶対にまたどこかで会うと思うんです。普段から仲良くしてなくても、生き残っていれば絶対にまたどこかで一緒になるはずだから、お互い頑張ろう、という気持ちです。孤独な戦いってほどでもないですけど、やっぱり自分たちの戦いですからね。
――ドラマ『太鼓持ちの達人~正しい××のほめ方~』の主題歌である新曲「褒めろよ」についても聞かせてください。
松尾:「デカい目標があるなら、今の苦しさや我慢は小さいことでしょ」って聴いてくれる人を励ましたいし、自分も励まされたい。年齢も性別も問わず、これを聴いて「やってやるか」と思ってほしいです。ただ「頑張れ」と言うんじゃなくて「めちゃくちゃ頑張れ」と。自分たちにとっての挑戦でもありましたね。
亀本:今までの自分たちの曲は、どよ~んとした雰囲気だったんですよ。でもせっかくのチャンスだし、どうせならやったことない曲を作ろうと思いました。中途半端じゃ伝わらないだろうし、かなり振り切れたものができましたね。
松尾:聴く人それぞれが、自分の曲にしてもらえたら嬉しいです。こっちが死ぬ気でやらないと、心臓に響くものは伝わらないじゃないですか。タイトルもかなりの挑戦でしたね。日常生活で「褒めろよ」なんて言わないですからね(笑)。
――ちなみに、テレ東は地元で放送されてないんじゃないですか?
松尾:テレビ東京は放送してないですね。でも、3か月遅れでやるかもしれないみたいです。
亀本:『孤独のグルメ』とかは放送してたんでしょ?
松尾:そうそう、テレ東の番組もちょいちょい長野放送の深夜枠に入るみたいで。もしかしたら放送されるかもしれないという……。
――『孤独のグルメ』と言えば、SPA!に掲載されている漫画が原作で……。
亀本:かなり観てましたね。一軒、行きましたよ。そしたら混んでたよね。
松尾:混んでたね。で、並んでる人たちみんなで「えっ、『孤独のグルメ』観たんですか……?」とか言って交流が生まれて(笑)。反響あるよね。
亀本:だいぶあるでしょ。
松尾:『孤独のグルメ』は田舎でも人気ありますよ(笑)。
⇒【vol.2】「地方は今でもテレビ文化。周りの見る目が変わった」に続く https://nikkan-spa.jp/800952
●GLIM SPANKY「褒めろよ」(MV) – (http://youtu.be/oB_y6YpDJRw)
<GLIM SPANKY イベント&ライブ情報> ●1st Single「褒めろよ」発売記念インストアイベント 日時:2月20日(金) 21:00~ 会場:東京・タワーレコード新宿店 日時:2月28日(土) 15:00~ 会場:大阪・タワーレコード難波店 日時:3月1日(日) 15:00~ 会場:愛知・タワーレコード名古屋近鉄パッセ店 ●「褒めろよ」リリースツアーファイナルワンマン“Velvet Theater in 東京キネマ倶楽部” 日時:5月17日(日) 17:00開場/18:00開演 会場:東京キネマ倶楽部 http://www.glimspanky.com GLIM SPANKY 公式Twitter/@glimspanky <取材・文/北村篤裕 撮影/西田周平>
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