三国志、戦国武将マニアが語る「正しきマニア道」とは?
日本の三国志マニアの間では“横光三国志”は「入門編」。「『とてもつらい』や兀突骨」(26歳・IT)、「曹植の『七歩の詩』」(37歳・製造)などは目を閉じれば横山絵で再現されるという。
この入門編を通過したら、「さらに吉川英治版や北方謙三版に進み、最終的には『三国志演義』『正史三国志』も読破するのが正しきマニア道でしょう」と歴☆女子会の磯部深雪氏。
「『演義』好きには『倚天の剣』や『青紅の剣』など武器の名称も常識です」(32歳・メーカー)
武器名ならば日本の戦国武将マニアも負けていない。
「マニアを語るなら、名刀はもちろん、本多忠勝の蜻蛉切、福島正則の日本号など槍まで知っていなければダメ」(35歳・公務員)
三国志マニアと違い、戦国マニアは「聖地巡礼」しやすい面も。
「一次史料目当てに現地の旧跡を訪れ、城郭の建築にも詳しくなる。現代語で縄張りと聞いたときに、曲輪や堀、門、虎口の配置がすぐ浮かぶようになったら歴ヲタです」(磯部氏)
<知ってて当然指数~三国志編~>
(A)横光三国志
横山光輝が1971~’86年まで連載した全60巻にも及ぶ長編漫画『三国志』の通称。名場面を選りすぐったLINEスタンプも人気。
(B)『とてもつらい』や兀突骨
横山光輝の漫画『三国志』の名場面及び人気脇役キャラ。前者は病床の霊帝の一言。後者は独特の名前から人気が高い南蛮の武将。
(C)正史三国志
日本で言うところの「三国志」は三国志演義に基づく文学作品を指すことが多い。正史三国志はそれらとは異なり、歴史書である。
(D)『倚天の剣』や『青紅の剣』
三国志演義に登場する名刀。ともに曹操が作らせた剣。他には関羽が振るう青龍偃月刀や張飛が使う蛇矛などが有名。
(E)七歩の詩
詩聖の評価を受けた曹操の五男が残した詩。兄から「七歩歩く間に一首作れ。できなければ死刑」と言われて生まれたもので涙を誘う。
<知ってて当然指数~戦国武将編~>
(A)縄張り
城郭の形状。構造であり、城の良し悪しを決める最重要項目。連郭式、円郭式、梯郭式、輪郭式、波郭式などに分類される。
(B)曲輪
「くるわ」と読む。簡単にいえば城内の区画のこと。本丸や二の丸などは曲輪の一つである。読みは同じで「郭」とも書く。
(C)虎口
戦の際に出入り口となり、城郭にとっての攻防の要所。馬出や枡形、喰違などさまざまな形状があり、攻防のメリットが異なる。
(D)蜻蛉切
家臣として徳川家康に付き従い、生涯57回の戦いで一度として傷を負うことがなかったと言われる名将・本多忠勝が愛用した槍。
(E)日本号
蜻蛉切と同じく天下三名槍の一つ。室町幕府15代将軍の足利義昭から織田信長を経て豊臣秀吉に渡り、秀吉より福島正則に与えられた。
※「知ってて当然指数」は専門家、及びマニアの方々数十人の聞き取り調査により算出……(A)知らないとバカにされるレベル (B)知ってて当然なレベル (C)けっこう通じているレベル (D)業界マニアと言っていいレベル (E)なぜそこまで知っている?
― マニア間では“知ってて当然な”用語の基礎知識【6】 ―
『三国志』 横山 光輝 |
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