40代男の「気持ちが晴れない」は“男性更年期”かも
40歳を過ぎたあたりの男性が、急に枯れた老人化して厭世的になる、あるいは、イライラが止まらず怒りっぽくなったりすることがある。2つの事例は正反対に見えるが、いずれも男性更年期の症状の可能性が疑われる。
「脳の扁桃体という部分には、過去の人生で経験した恐怖や悲しみがストックされていて、男性ホルモンはそこにフタをする役割を果たしています。そのため男性ホルモンが低下すると、感情の制御がうまくできなくなってしまうんです。不安感や絶望感が強まって自殺に至るケースもありますし、事実、40歳を超えると自殺率は大きく高まります」(田中病院院長・田中優子氏)
渋谷駅前クリニック院長(浜松町第一クリニックグループ)の木下隆央氏も男の更年期障害と鬱病の関連を次のように指摘する。
「中年期に差し掛かった男性が、突然落ち込むミドルエイジ・シンドローム(中年症候群)は以前から指摘されていましたが、これも男性ホルモンの低下と関係があるでしょう。仕事熱心で活力に溢れていた男性ほど、男性ホルモン低下による衰えの自覚も大きく、『会社人生の先が見えた』『生きる目的を失った』と精神的にショックを受けて、うつ病に至るケースもあります」
◆更年期故の抑うつ状態なのに、精神科に行くと症状悪化の危険も
男性更年期ゆえの抑うつ症状でうつ病を疑い、「精神科」を訪れるケースは多いが、「そこで症状がさらに悪化する危険性もある」と田中氏。
「中年男性のうつ病は男性更年期と関連があるケースが多々ありますが、男性更年期という概念の周知がまだ進んでおらず、その関係を知らない医師もいます。男性更年期によるうつ病であれば、ホルモン補充療法で快方に向かうにも関わらず、向精神薬を処方してしまい、さらに男性ホルモンが低下する例もあるんです」
また、「向精神薬は性機能を低下させるリスクもある」(木下氏)という。利用に際しては、更年期故のものなのか、うつ病なのかの見極めに慎重を期したい!
4/28発売の週刊SPA!では、40過ぎを襲い始める男性更年期についてさまざまな事例とともにリサーチしている。心当たりのある人はご一読されたし! <取材・文/週刊SPA!編集部>
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