【AKB48じゃんけん大会】ガチ勝負で見えた非選抜メンバーの不安やプレッシャー
9月16日、第6回AKB48グループ・ソロシングル争奪じゃんけん大会in横浜アリーナが行われた。見事、本戦参加108名のなかから優勝に輝いたのはいままで非選抜メンバーだった藤田奈那。決勝では、中西智代梨をパーで破り、ソロシングルの権利を勝ち取った。藤田は大会終了後の記者会見で「ダンスが得意なのでパフォーマンスで魅せられる楽曲だと嬉しい」と語った。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=939710(じゃんけん大会での藤田)
藤田自身は在籍約5年。総選挙ではいままでずっと圏外で、じゃんけん大会も含め選抜経験はなし。そんな彼女が“チャンスの順番”を迎えた。囲み取材でひとり受け答えする姿は、いままでそういった経験の少なかったメンバーにしては見事な対応で、「やっと掴んだチャンスなので、全力で頑張ります」と決意もハキハキと語ってくれた。ひとつの壁を乗り越えた彼女の表情はどこか清々しく、壇上の不安な顔とはまったく異なるものだった。じゃんけん大会はメンバーに変わるキッカケをくれるもの。最後の最後に勝ちにいった藤田が殻を破り、ここから一気に花開くことを期待したい。
⇒【写真】はコチラ nikkan-spa.jp/?attachment_id=939705(じゃんけん大会の様子)
取材・文/日刊SPA!編集部 写真提供/AKS
今大会は例年にも増してガチ感が強い大会だった。じゃんけん大会は今回が6回目。第1回大会の内田眞由美以降、優勝者が選抜メンバーに偏っていたことから、八百長疑惑をかけられるようになった側面もあった。しかし、今大会では特典が与えられるベスト16に残ったメンバーでAKB48の選抜経験を持つメンバーは木崎ゆりあ、横山由依、渡辺美優紀の3人とじゃんけん大会史上最も少ない。
また、決勝に残った藤田奈那と中西智代梨の勝ち進んでいくなかでのリアクションがそのガチ感を印象づけた。特に準決勝に勝った後の藤田は待機するイスに戻るなり、首を振りながら下を向きうつむいてしまった。本人も後の会見で話したが、「優勝したい気持ち以上に、ソロデビューすることに不安な気持ちが出てしまった」ということだった。また、準決勝のもう一試合で中西が木崎に勝利するのを確認するとひざをついて愕然とした様相も見せ、試合直前のインタビューでは「どっちが勝ってもヤバい」と発言。予想しなかった自身の快進撃にかなりの動揺をしているようだった。
決勝戦ではまさかのお互いグーを出し続け、6回あいこというこう着状態。藤田は「いままでグーで勝ってきたのでグーにこだわっていた」「中西さんはおそらく勝とうとしてないと思ったので最後は決心してパーを出した」と振り返ったが、グループを代表してソロデビューするというのは、一般的な知名度の高くない藤田や中西には相当なプレッシャーがあったようだ。非選抜メンバーとして活動する彼女たちにとって注目を浴びるチャンスであると同時に「自分なんかがそこに立っていいのか」「ソロデビューしてCDが売れなかったらどうしよう」という思いも交差し複雑な心境になってしまったという。一部メンバーを除けば、ここまでの規模になったグループの看板を背負うというのは並大抵のことではない。しかし、そんな彼女たちが勝ち上がったことで大会も盛り上がり、じゃんけん大会の本来持つ「誰が優勝するかわからない真剣勝負」という意義性を改めて感じさせてくれるものとなった。
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