サードウェーブ男子の週末――5時起床、パクチー栽培、気のおけない友達と焚き火を見つめ…
オラオラ系に草食系。男の分類もさまざまだが、昨今台頭しつつあるのが「サードウェーブ男子」。“丁寧に暮らす”を標榜し、インスタグラムなどはやりのSNSに生息する彼らの特徴と生態に迫る!
<ドキュメント>
サードウェーブ男子の一日を追ってみた!【週末(キャンプに行かない日)編】
増殖しつつあるサードウェーブ男子50人以上の生態を観察し、そこから導かれた彼らの生活を再現してみた。驚くことに、これらは架空の行動などではなく、実在の人物の証言に基づいた事実なのである……。
5時…一旦起床。体の声を聞く。輝くような朝日をiPhoneに収め、「今日もきれい~。もうちょっとベッドで微睡む~」のコメントとともにツイートし、再び眠りに落ちる。
10時…休日は遅めに起きて、ブランチ。去年、オレゴン州ポートランドを訪れたときに食べて感銘を受けた、マッシュルームとローズマリーのロースト、ワインビネガーとマスタードのポテトサラダ、野菜のピクルスなどを我流で作り、全粒粉のパンとともに。サードウェーブコーヒー店に勤める友人セレクトのエチオピアもネルドリップでいただく。
11時…キッチンで育てているパクチーを収穫、SNSにアップする。
13時…午後からは一軒家でルームシェアする友人の家に行く。来週のキャンプでお披露目するキャンピングテーブルをDIY。
16時半…完成したら夕方から廃材で焚き火。「焚き火って本当にいいよね」と言い合いながら、日が暮れるまで炎を見つめ、黄昏れる。
19時…そのまま友達と大衆居酒屋へ。気のおけない友達とは、クラフトビールよりホッピーのほうが親近感が湧く気がするし、それにオジさんばかりの居酒屋って社会見学に来てるみたいで、面白い。日常の中でショート・トリップ感を堪能。
24時…帰宅。キセルの曲を掛けながらベッドに潜り込み、スノーピークのアウトドアカタログを見ながら、来週のキャンプを想像する。その後、多幸感のなか、心地のよいコットンのパジャマで就寝。
<サードウェーブ男子を読み解くキーワード>
●体の声を聞く…彼らの口ぐせのひとつが、「体の声を聞く」。脳内にささやき声が聞こえるわけではないだろうが、体調不良には敏感で「体が悲鳴をあげている」ときは決してムリしない。決して「自分に甘い」のではなく、自己管理の徹底。
●オレゴン州ポートランド…クルマで10分ほど走れば、そこは大自然という人口約60万人のコンパクトシティ。環境にやさしい町づくりが進められ、全米でもっとも住みやすいといわれるロハスな町。ちなみに件の「ブルーボトルコーヒー」の本拠地はオークランド。
●我流で作り、全粒粉のパン…自らも料理をするのがサードウェーブ男子。ピクルスや漬物、味噌なども手作り。そんな「ちゃんとしている」生活を続けると、「添加物って、舌がピリッとするからすぐわかる」ようになるらしい。
●キッチンで育てているパクチー…キッチンやベランダでまめにガーデニング。最近の流行はパクチー。
●一軒家でルームシェア…サードウェーブ男子には、カフェ店員や小規模事務所のデザイナー、イラストレーターやWebデザイナーも多く、家賃節約のためルームシェアしてる人が少なくない。
●来週のキャンプ…とにかくサードウェーブ男子はアウトドアが好き。仲間を呼び、うっかりすると自宅マンションの屋上に、テントを張りバーナーで火をおこして料理、アルミのカトラリーに取り分け、ランタンの火の下、和気あいあいと食事。食後、自分でネルドリップしたコーヒーをいただきながら聞くのは、「cero」や「ザ・なつやすみバンド」。自らの上質な暮らしを代弁するようなJ‐POPがマイ・フェイバリット・ミュージック。
●焚き火…焚き火が醸し出すゆるい空気は彼らの大好物。炎を見つめ、交わされる言葉は「焚き火っていいよね」「うん、やっぱりいいね」程度。
●キセル…京都府宇治市出身の兄弟ユニット。’01年にメジャーデビュー。ノスタルジックなのに新しい、独特のゆらぎ感でファンを魅了。
●スノーピーク…アウトドア用品ブランド。「natural lifestyle creator」を標榜し、キャンプ用品みならずアパレルやバイク(自転車)などのオシャレ系グッズで、ナチュラルライフスタイルを提案する。
― [サードウェーブ男子]の意識高い系な日々 ―
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