メタボの原因にもなる「隠れ低体温冷え性」とは?
「冷え性は女性特有のもの」と思っている人は多いだろうが、最近は“男の隠れ冷え性”も実は増加中。ここでは全国冷え性研究所の所長・山口勝利氏が提示した冷え性の3分類「末端型冷え性」「隠れ低体温冷え性」「全身型冷え性」を参考にしながら、その原因と対策を探っていく。
◆「隠れ低体温冷え性」内蔵が冷えると免疫力は30%、代謝は13%低下!
手足の冷えは感じないが、体の中が冷えている……というタイプの冷え性もある。それが「内臓型冷え性」もしくは「隠れ低体温型冷え性」と呼ばれるものだ。
「体の内部の体温である深部体温は1℃下がると免疫力が30%も低下し、代謝も12~13%は落ちてしまいます。また、『冷えは夏につくられる』といわれるように、夏場にビールなどの冷たい飲料や油分が多く体を冷やす食べ物、シャワーのみで汗をかかない生活をしていると、深部体温もどんどん下がり、元に戻りにくくなる。そのため、内臓脂肪を蓄えやすくなり、さまざまな内臓疾患やアレルギー等のリスクが高まり、太りやすくもなります」(全国冷え症研究所の所長、山口勝利氏)
医師・医療ジャーナリストの森田豊氏も、「内臓が冷えると臓器自体も膀胱炎、胃腸炎などのリスクが高まります」と警鐘を鳴らす。
<隠れ低体温冷え性の症状>
腰から脚を中心として冷えを感じる
手先や足先ではなく、内臓の温度が低下して起こる冷え性。内臓機能や免疫力が低下するため、胃腸障害、腎臓機能の低下、精力減退、アレルギー症状などのリスクが高まる。また代謝が落ちることにより、太りやすい体にもなってしまう
<原因>
食生活の偏り、深層筋力の低下、生活習慣の乱れ、服装
<対策法>
深部体温の低下が原因なので、足先や指先ではなく、お腹などの温度を上げるのが大事。
「お腹を温めるには腹巻きがオススメ。寝るときだけでもいいのでぜひ使ってみてください。コーヒーや緑茶は体を冷やすので、飲み物は紅茶やほうじ茶などに。油が多い食べ物、生野菜、パン、パスタなども体を冷やすので控え、野菜は温野菜を食べるといいでしょう。お酒全般も体を冷やす飲み物ですが、飲んだ日はしょうが入りの味噌汁を最後に摂って体を温めましょう」(山口氏)。
「常に空気に触れ冷えやすく、皮膚の表面で最も太い血管が走っている首を保温しましょう。森永製菓の2012年発表の研究で、しょうがより冷え性抑制効果が長いと認められたココアもオススメ。他の研究では、特に下半身を温める効果が確認されています」(森田氏)
【山口勝利氏】
全国各地に分室を持つ全国冷え症研究所の所長。理学博士、柔道整復師、鍼灸師。冷え症治療の第一人者として各種メディアで活躍中。著書に『冷えた女は、ブスになる。』など
【森田 豊氏】
医師・医療ジャーナリスト。現役の医師として、診療に従事するとともに、テレビや雑誌などさまざまなメディアに出演して、病気や医療の問題について解説する
― 秋冬に発症する[男の冷え性]が危ない ―
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