外国人観光客に聞いた「日本旅行中に便利だったスマホアプリは?」
今年1~10月の累計で過去最高を記録した訪日外国人観光客。そんな彼らが日本旅行で店選びから交通情報、コミュニケーションツールまでどのようなアプリを使っているのかを探った
旅行の楽しみといえば、現地でのグルメやお酒。外国人観光客は、どのようなアプリで飲食店を選んでいるのだろう?
「TeePee Guideというアプリを使っています」というのはインド人の男性。「地図からお店を探せて使いやすい。データをダウンロードしておけばオフラインでも使えるし、レストランだけじゃなくて、ショッピングとか遊ぶ場所を調べられるのもいいね」。
このアプリはテレビや雑誌で紹介された店を集めているということで、その点も観光客のニーズに合っているのかもしれない。
続いては日本でもおなじみのアプリ。「ネットで調べたら、日本で一番ポピュラーなようだったので、ぐるなびを使っています」というのは韓国人の男性だ。このほかにも「お店のクーポンが使えるのと、英語を話せるスタッフがいるかどうかを調べられるのが便利」(男性・中国人)など、韓国語、中国語に対応しており、カバーしている店の数も多いことから、東アジアの観光客に好評なようだ。
アジア系観光客からはガイド性の高いアプリが挙がったが、欧米系で多かったのは、意外にもFacebookという答え。
「グルメサイトでも調べたんだけど、日本語のページばっかりで英語の説明もいかにも観光客向けって感じだから、あまり参考にならなかったね」(男性・アメリカ人)
「地図もあるし、いいね!している人を見ればどういう客が多いのかもわかるよね。タグ付けされてる写真を見ればお店の雰囲気とメニューもだいたい掴めるし」(男性・ポーランド人)
“生の声”を重視する欧米系観光客はグルメアプリよりもSNSのアプリを利用しているのだ。
異国の地では特に重要となるコミュニケーションツール。そんなときに便利なのがアプリだが、王道のGoogle翻訳は国籍によって賛否がわかれた。
「どの日本人相手にも問題なく使えた」(女性・アメリカ人)、「日本にいる間、一番役に立ったアプリ」(男性・イギリス人)と英語圏からは絶賛の嵐! しかし、非英語圏からは「駅の場所を聞きたくて、相手にもわかりやすいように英語で話したけど、訛りが強かったのか全然うまく訳せなかったね。向こうの答えも語順が前後したりして、結局身振り手振りで教えてもらったよ」(男性・フランス人)など、いまいちな反応も……。
コミュニケーションをとる相手は日本人だけではない。観光客同士の情報交換で使われていたのは世界最大のインスタントメッセンジャーアプリWhatsAppだ。
「日本に住んでいる外国人と連絡先を交換して、いろいろ案内してもらったよ。ヨーロッパの人はだいたいみんなこのアプリを使ってるね」(男性・ドイツ人)
また、意外なところではアジア圏に強いイメージのLINEという答えもあった。
「日本ではみんなこのアプリを使ってるって聞いたから、ナンパするためにダウンロードしてきたんだ。おかげで何人かのコと連絡先も交換できたよ!」(男性・ポーランド人)
アプリに関しても、「郷に入っては郷に従う」のが円滑なコミュニケーションをとる肝かもしれない。
観光には欠かせない地図や交通情報。複雑な鉄道網を把握する乗り換え案内アプリとして挙がったのは、そのものずばりな名前のJapan Trainsだ。
「ほかにもいろんなアプリを試したけど、ローマ字に対応していなかったり、一つの鉄道会社しかカバーしてなかったり、これが一番便利だった」(女性・ノルウェー人)と、JRから私鉄まで調べられるところが評価されていた。
夜遊びの足となるタクシーの配車アプリでは、昨年から都内でのサービスを開始したUber。
「街中でタクシーを拾うと言葉が通じなくてなかなか目的地が伝わらないし、料金もいくらかかるか不安。日本のタクシーは高いから、Uberは最初に見積もりを見られるのもいい」(女性・アメリカ人)
海外ではタクシー業界団体や規制当局からの反発も話題となっているが、日本を訪れた外国人観光客からは好評だ。
実際に街を歩くときに役立つのは地図アプリ。ネットに接続すると高額なデータ通信料がかかってしまうため、ポケットWi-Fiなどを持ち歩いていない外国人観光客の間ではオフラインでの使用が鍵となっていた。
「MapsWithMeってアプリは地図をダウンロードしておけば、ネットに繋がなくても見られるから、海外旅行に行くときはいつも使ってるよ。日本は無料のWi-Fiスポットが少ないし、せっかく見つけたと思っても英語の説明がなかったり、ちょっと不便だよ。ほかのアプリも試したけど、ネットの接続が悪いと使い物にならないからね……」(男性・オーストラリア人)
また、外国人観光客が日本を旅するうえでネックとなるのが、文字の違いだ。
「せめて発音できれば人に聞けるけど、地名や店名を見ても読み方がさっぱりわからないからね。日本に来る前にYomiwaってアプリをダウンロードしたよ」(男性・カナダ人)
こちらのアプリは名前のとおり、読みたい文字をカメラでスキャンするとローマ字変換してくれるというもの。
「辞書みたいな機能もついてるから、意味もなんとなくわかるんだよね。ただ、駅とか地図はどこも英語で説明が書いてあるから、そんなに使ってないけどね」(同)
アプリに頼らざるをえない部分もあった外国人観光客たちだが、日本旅行も難点ばかりではなかったようだ。
取材・文/SPA!編集部
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