朝鮮半島有事、李英和氏の優れた情勢判断(3)――朝鮮総連のすさまじい乱暴狼藉

李英和氏の著作『朝鮮総連と収容所共和国』(小学館文庫、1999年)

北朝鮮の民主化を求める集会に朝鮮総連の乱暴狼藉


 1994(平成6)年4月15日、この日は北朝鮮の金日成主席の82歳の誕生日に当たる日であり、李英和氏は前述のRENKによる「北朝鮮民主化支援・全国集会」を、東京、名古屋に続き大阪で開いた。東京、名古屋でも小競り合いはあったという。

 大阪の集会への朝鮮総連の反撃は、すさまじいものがあった。前掲書にその様子が綴られている。

「李英和を出せ」「李英和を殺せ」――こう叫びながら、私をめがけて数十名の屈強な若者が次々に突進してくる。百名近い集団が、……RENKの大阪集会を襲った。襲撃の主は、金日成父子を支持する一団だった。近畿一円を中心に、東京からも動員された朝鮮総連のメンバーたちである。……ただならぬ事態に驚いた大阪府警は、二百名ほどの機動隊員を緊急動員した。だが、……朝鮮総連の突撃隊は、警察官を押し倒し、警備の壁を突き破って襲いかかる。(54~57ページ)

 主権国家・日本で行われた朝鮮総連による乱暴狼藉である。このRENK事件に関して、大阪府警は4月25日、朝鮮総連大阪本部など8か所を「威力業務妨害」として家宅捜索した。それまで朝鮮総連への家宅捜索はタブーとされていたが、「1955年に朝鮮総連が結成されて以来の出来事」(同書67ページ)となったという。

 朝鮮総連は、この事件に「無関係だ」して家宅捜索に猛然と反発し、大阪府警や東警察署に対し一か月近くの間、連日数千人規模の抗議デモを行ったという。しかし、事件の指令書や計画書などの大量の証拠品が押収される結果となった。

左派系文化人は、朝鮮総連を擁護した


 情けないことには、朝鮮労働党と友好関係にあった日本社会党の国会議員や、親北系の日本の知識人や文化人が、不当な家宅捜索だとキャンペーンをはったのである。

 こういう左派系の人々は、一見、正義を装いながら、北朝鮮の民主化を求める人々の言論の自由を貶(おとし)め、乱暴狼藉という暴力行為を容認し、人権抑圧に加担した罪は重いものがある。さらに、わが国の安全保障の正当な議論を捻じ曲げてきた責任も重大だ。

 警察が家宅捜索で押収した資料の中には、李英和氏の個人ファイルもあった。

 彼の住所・電話番号はもちろん、乗用車の車種とナンバー、詳細な通勤経路、購読新聞名、郵便物の量や内容……といったものである。「尾行と張り込みを続け、郵便受けをあさる」(同書75ページ)といった行為が、平然と行われていたのである。

 李英和氏には、北朝鮮の民主化を妨害しているのが朝鮮総連であると確信したに違いない。

 2010(平成22)年3月11日、日本での高校授業料無償化に朝鮮学校を含むかどうかが議論されていた際に、李英和氏は文部科学省で記者会見した。

 彼は、朝鮮学校で用いられている独自に編纂された教材『現代朝鮮史』を公開し、「すべての記述に金日成、金正日の功績が出てくる」と述べた。その内容は、民族教育に値しない思想教育であり、「朝鮮学校は朝鮮労働党や朝鮮総連の支配下にあり、……学校が非民主的に運営されていて問題があり、……文部科学省の指導が届かない学校に無償化を適用するのは疑問だ」と語った。まったくその通りである。(続く)

(文責=育鵬社編集部M)




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