マカ、高麗人参、オウセイ……栄養ドリンクの生薬成分はどれが何に効くのか?

 新年度も早2カ月が過ぎ、これから梅雨の季節に入り、不快指数が急上昇、仕事の疲れもドッと溜まる。こんな時はエナジードリンクではもの足りない、疲労回復とスタミナアップに栄養ドリンクを飲むか。

 しかし、栄養ドリンクはどれも「滋養強壮」「栄養補給」が謳われていて、商品名と値段ぐらいでしか区別がつかない。ビンのラベルの裏を見ると、高麗人参、マカ、オウセイなど、生薬の名前がズラリ。だが、どの生薬成分が何に効くのだろうか? 医学・工学博士で『どれ飲む?いつ飲む?エナジードリンク・栄養ドリンクのすべて』(共著、育鵬社)などの著書がある松永政司氏に話をうかがった。

松永政司氏

生薬とは?


 植物、動物、菌類、鉱物などの天然産物で薬効に役立つ成分を持ち、しかも成分の精製を行うことなく使用するものを「生薬」と言います。漢方薬とは漢方医学理論に基づいて生薬を組み合わせ処方したものです。

 生薬は薬と思われがちですが、医薬品としての「生薬製剤」と食品である「健康食品」に分類されます。生薬製剤については、法律に基づいて厚生労働大臣が定めた医薬品の規格基準書である『日本薬局方』に記載されています。

 医薬品かどうかにかかわらず、生薬には生理活性成分以外のものも含まれているため、化学合成医薬品に比べ複合効果、相乗効果が出る場合があります。

高麗人参(植物性生薬)


 高麗人参は、古くから使われている漢方生薬で、中国最古の薬物学書である『神農本草経』には「五臓を補い、精神を安んじ、魂魄を定め、驚悸を止め、邪気を除き、目を明らかにし、心を開き、智を益する。久しく服すれば身を軽くし、年を延ばす」とあります。現代風にいうと、「循環器、内分泌、代謝、神経、免疫系に優れており、病気を予防し寿命を伸ばす」といった意味になります。

 最近の研究では核酸成分であるAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を増やすことにより、長寿遺伝子を目覚めさせるとの報告もあります。

 また、ソウル大学の研究では、高麗人参の生理活性物質であるジンセノサイドが腸内細菌によってコンパウンドK(M1ともいう)に変わり、効果を発揮することが立証されました。そのため、あらかじめ高麗人参を乳酸菌発酵させコンパウンドKを増やした発酵紅参も利用されてきています。

<効能>強壮、強心、鎮静、健胃補精、消化不良、食欲不振など

マカ(植物性生薬)


 南米ペルー原産のマカは海抜4000~5000mの高地で植生するアブラナ科の多年草です。カブに似た根茎部分が食材として重宝され、インカ帝国時代には特権階級の食べ物でした。アンデスの人参とも呼ばれています。必須アミノ酸、鉄、カルシウム、銅など栄養成分に富み、特にアルギニンはマカ100g当たり0.6g含まれています。

<効能>滋養強壮、精力増強、更年期障害、肌の老化防止

黄精(オウセイ)(植物性生薬)


 黄精は本州から九州、朝鮮半島に自生するユリ科の多年草であるナルコユリの根茎を用いた生薬です。その活性成分には降圧、降血糖、強心作用があります。漢方では強壮、補気、潤肺作用があり、胃腸虚弱、肺疾患、糖尿病、食欲不振などに用いられます。強精効果もあり、焼酎につけた黄精酒が精力減退や病後の回復の滋養強壮酒として愛飲され、江戸時代の俳人、小林一茶も愛飲したと記されています。

<効能>滋養,、強壮、病後の虚弱、肺結核の咳嗽、糖尿病の口渇、心煩、血糖過多など

 上記の効能を期待したい場合には、これらが含まれている栄養ドリンクがいいでしょう。目的や症状に合わせて自分にピッタリの栄養ドリンクを選ぶ参考にしてみてください。

【松永政司(まつなが・まさじ)】
NPO法人遺伝子栄養学研究所理事長。昭和19(1944)年北海道生まれ。北海道大学、京都大学卒。京都大学工学博士。昭和大学医学博士。第7の栄養素といわれる食品素材としての核酸(サケ白子DNA、ビール酵母RNA)の研究開発・普及に務め、日本病態栄養学会、国際DNA・ゲノム会議(大連)などで核酸の栄養医学に関する特別講演を行う。著書に『核酸が健康寿命を伸ばす』(致知出版社)、『最新版 遺伝子栄養学』(共著、東急エージェンシー)など多数。最新刊は『どれ飲む?いつ飲む?エナジードリンク・栄養ドリンクのすべて』(共著、育鵬社)

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