朝鮮史講座…歴史に潜む反日の淵源「第10講:李成桂とは何者か?」

太祖李成桂

太祖李成桂

北朝鮮の拉致・核問題の暴虐、韓国の執拗な反日政治、これらの異常さというのはいったい、どこから来るものなのか。著作家の宇山卓栄氏はその答えを、朝鮮特有の「歴史的隷属」に見出す。朝鮮半島は一時期を除き、約2000年間、中国の属国だった。中国への隷属は朝鮮人の心を蝕み、我々、日本人には考えられないような「精神の卑屈」を招いた、と宇山氏は説く。

李氏朝鮮を創始した男

1392年から1910年まで500年以上も続く李氏朝鮮を創始した李成桂とはいったい何者でしょうか。 彼は高麗の満州人軍閥の頭目であり、その勢力基盤は咸鏡南道(現在の北朝鮮東北部)にありました。 李成桂に仕えた李之蘭(イ・ジラン)は満州人女真族の指導者で、満州人を取り込むことに成功しています。 高麗政権も満州人が中心でしたが、長い年月の中で、韓人と混血を繰り返し同化していました。 そのような中でも、満州人の血統や、彼らの狩猟・牧畜生活の伝統を強く残す部族を、李成桂は率いていました。

満洲人部隊を統率

 李成桂の満州人部隊は元々、モンゴル人とも親交が深く、元王朝の支配に長い間、服属していました。  モンゴル人と朝鮮を繋ぐ中継交易で収益を得ていました。元末期にモンゴル人の力が衰えると、今度は高麗に服属しました。  李成桂が韓国南西部全羅道の全州李氏を本貫としているという説がありますが、それは後世の創作であり、李氏朝鮮の創始者の彼を韓人としたい韓国側の都合によるものと見るべきです。  李成桂本人の出自について、確たる史料が残っておらず、わからない部分が多いのですが、李成桂の下に集まっていた勢力は李之蘭をはじめとする北方満州人部族の有力者たちであり、李成桂を頂点として、大きな力を持っていたということだけは間違いありません。 宇山卓栄(うやま たくえい) 著作家。著書に『朝鮮属国史~中国が支配した2000年~』(扶桑社新書)。
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