検索
新着
ニュース
エンタメ
ライフ
仕事
恋愛・結婚
お金
スポーツ
グラビア
サブスク
トップ
日刊SPA!PLUS
現役の米陸軍大将も、ハワイ州知事も沖縄移民三世! なぜアメリカで沖縄移民が活躍してるのか?
2019年08月23日
現役の米陸軍大将も、ハワイ州知事も沖縄移民三世! なぜアメリカで沖縄移民が活躍してるのか?
惠隆之介
<文/惠隆之介>
米国で大活躍する沖縄移民の子孫たち
最近、我が国は国家的〝引きこもり〟状態に陥っている。米国カリフォルニア在住でITビジネスを営む私の友人は、顔を合わせる度に警告する。 「日本人はどこへ行った? 街で見かけるのは中国人と韓国人だけだ。このままでは日本は衰退するぞ」 対照的に米国では今、沖縄移民の子孫の活躍が目立つ。 平成三十(二〇一八)年五月四日、ドナルド・トランプ米大統領は沖縄移民三世のポール・M・ナカソネ米陸軍大将を国家安全保障局局長兼サイバー軍司令官兼中央安全委員会長官に任命した。このポストにアジア系米国人が就任するのは初めてである。 また、サイバー軍は戦略軍指揮下から独立して太平洋軍、欧州軍などの統合軍に格上げされたため、ナカソネ大将は大統領に万一、不測の事態が発生し執務困難に陥った際、国家指揮を担う権限の順位が付与されたことになる。「アメリカン・ファースト」が叫ばれ、移民規制を強化する傾向の中で、国家生存の中枢を沖縄移民三世が担うのだ。 六月六日、七日の両日には、ハワイで現秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお迎えして、第五十九回海外日系人大会とハワイ移住元年者百五十周年記念式典が開催された。最終日には、沖縄移民三世のデービット・Y・イゲ(日本名・伊芸豊)ハワイ州知事が両殿下を晩さん会にお招きした。
「沖縄移民の父」當山久三
一方、沖縄では、同年十月十四日、本島北部の金武町で當山久三生誕百五十周年記念祭が開催され、町内の老若男女が集い、當山久三を盛大に顕彰した。 當山久三とは「沖縄移民の父」と呼ばれ、廃藩置県後、虚脱状態にあった農民を鼓舞し、海外雄飛を推進した男である。四十二歳で早世したが、その精神は住民に引き継がれ、その後、世界各地で同町出身者が活躍してきた。 式典スピーチで、仲間一町長は、「ハワイ州知事は沖縄移民出身」と強調し、青少年に奮起を促した。 ところで、我が国は戦前と戦後の歴史の断層が大きい。しかも沖縄では、先の大戦の被害者意識を底流としたイデオロギー教育が小中学校で行われてきた。従って偉人たちの生涯も、国家に抗った英雄であったかのように改竄されている。 ところがこの金武町だけは、進取の気象に富んでおり、昭和六(一九三一)年に制定された金武小学校校歌を、戦後も一字一句改変せずに、現在まで歌い継いできた。この校歌については本文で詳述するが、歌詞に當山の格言、「いざ行かん世界五大州」が歌われている。 この度出版した拙著
『沖縄県民の知らない 沖縄の偉人』
(育鵬社)は三人の沖縄県出身者の生涯を記した。この當山久三と、移民二世でアジア太平洋地域の交流に尽くしたハワイ大学経済学部教授トーマス・H・イゲ(日本名伊芸平八郎)、そして日本復帰の起点を作った琉球政府主席(知事)松岡政保である。この三人はいずれも金武の出身である。
左から、「沖縄移民の父」當山久三(とうやまきゅうぞう)、移民二世の米経済学者・トーマス・H・イゲ、沖縄返還交渉のキーマン・松岡政保(まつおかせいほ)。
この三人の生き様こそは我が国青少年に海外雄飛への刺激になるものと確信している。さらに国際化が遅れた教育界へ本書がその刺激となれば望外の喜びである。
惠 隆之介(めぐみ・りゅうのすけ)
作家、シンクタンク「沖縄・尖閣を守る実行委員会」代表 昭和29(1954)年沖縄コザ市生まれ。昭和53年防衛大学校管理学専攻コース卒業。海上自衛隊幹部候補生学校、世界一周遠洋航海を経て護衛艦隊勤務。昭和57年退官。その後、琉球銀行勤務。平成11(1999)年退職。以降、沖縄をベースに安全保障問題を主とするジャーナリズム活動に専念。積極的な執筆、講演等を展開している。著書に『敵兵を救助せよ! 』(草思社)、『新・沖縄ノート 沖縄よ、甘えるな! 』(WAC)、『海の武士道DVD BOOK』(育鵬社)など多数。『昭和天皇の艦長』(産経新聞出版)は昭和天皇天覧。
惠隆之介
⇒日刊SPA!PLUS 記事一覧に戻る
『
沖縄県民も知らない沖縄の偉人 日米の懸け橋となった男たち
』
貧困と琉球王朝時代からの陋習(ろうしゅう)に苦しむ沖縄を救うためアメリカに渡った男たちの闘いの記録!
おすすめ記事
ハッシュタグ
PLUS
トランプ大統領
沖縄
移民
米国
Tweet
シェアする
日刊SPA!の人気連載
SPA!デジタル写真集
恋愛コーチ・関口美奈子
人に99%「YES」と言わせる ひろゆき構文
結婚につながる恋のはじめ方
トップロープより愛をこめて
マンガで稼いだカネを怪しい投資にブッ込んでみた
誰が為にか書く~北関東の山の上から~
インタビュー連載『エッジな人々』
マネー(得)捜本部
連載一覧を見る
ハッシュタグ
PLUS
トランプ大統領
沖縄
移民
米国
Tweet
シェアする
おすすめ記事
24時間更新
人気ランキング
高速道路で“軽自動車を煽り続ける”70代の老人。まさかの言い分に唖然…――仰天ニ...
2024年12月16日
「1人1万円」の入場料は高すぎる…テーマパークに行けない“庶民の受け皿”が好調で...
2024年12月14日
「土下座しろ!」スーパーで“金を払わず立ち去ろうとした”40代男性が逆ギレ…店員...
2024年12月15日
「あおり運転をしてきた軽自動車」に下った天罰。対向車からガテン系の男性が降りてき...
2024年12月15日
「無料にしろ」ラーメン店で恫喝してくる50代男性客に店主が反撃!すごすごと退散す...
2024年12月17日
新着記事
元セクシー女優が暴露する「すぐ辞める女優が急増しているワケ」。女優のメンタルを保つ難しさ
2024年12月21日
銭湯で「露天風呂を占拠して騒ぐ」迷惑な若者客たち。“腕っぷしの強そうな客”に「お前ら周りを見ろ!」と一喝された結果…
2024年12月21日
「すでに歯がボロボロ。歯医者に行っても意味がない」は勘違い/歯科医師・野尻真里
2024年12月21日
「むしろ逆効果」悪気はないのにキャバ嬢に嫌われてしまう行動5選
2024年12月21日
「全身に入れ墨を入れた」21歳女性が語った過去。“オール5”生徒会長の学生時代、少年刑務所…親との関係も告白――仰天ニュース傑作選
2024年12月21日
孤独のグルメ~食文化応援企画~
ビール2:黒ビール1。人気の『マルエフ』を「ワンサード」で飲んでみた!
2023年11月20日
PR
美味しいビールで酷暑を乗り切ろう!孤独のグルメ原作者が熊本の名店で『マルエフ』を味わう
2023年08月10日
PR
『孤独のグルメ』のオリジナル デジタルトレカがもらえる!「ひとり飯をみんなで楽しむプロジェクト」の第一弾がスタート!
2022年12月02日
HARBOR BUSINESS Online 一覧
中国「秘密警察」が日本人にも接触。日本のカルト教団なども監視か
2024年04月04日
サッカーW杯日朝平壌決戦の行方。カギは定期便と人的往来再開か
2024年03月06日
政治の犠牲になった能登地震<著述家・菅野完>
2024年02月09日
勝SPA!一覧
ドウデュース「出走取消」で混戦ムードに。“東大卒の予想家”が「勝負のカギを握る4頭」を徹底解説
2024年12月21日
<有馬記念>今年の傾向的に「絶対に外すことができない注目馬2頭」を競馬の達人が解説
2024年12月21日
有馬記念が引退レースとなる馬の“注目すべきポイント”。ドウデュース以外に複数頭が該当
2024年12月19日
はじめての副業一覧
50代女性がタイミーに挑戦してわかった、自由な働き方の“光と影”。クレーマー対応や謎の時給カットも…稼げた金額は
2024年12月06日
いま注目の「地方で副業」。都会の会社員が、地方企業を手伝うスタイルが増えそうなワケ
2024年11月03日
副業でセクシービデオに「エキストラ出演」するアイドル。どうしても“お金を稼がなければいけない”理由
2024年10月10日
募集
女子SPA!「佐伯ポインティ新連載」不倫にまつわるお話を聞かせてくれる女性を募集中!
2024年06月28日
<扶桑社 採用情報>のお知らせ
2024年03月12日
週刊SPA!編集部 編集者募集!
2023年03月08日
インフォメーション
あべみほ「悩殺必至の過激ショット」、最新デジタル写真集が発売!
2024年12月21日
ちとせよしののグラビア設定を視聴者が決める!【グラビア生会議 1/28 21:00~】MC:岸明日香
2024年12月18日
”しーなちゃん”のセクシーな秘蔵カットを大放出!週刊SPA!のサブスク「MySPA!」続々更新中!新規会員は初月99円で読み放題
2024年12月06日
週刊SPA! 最新号
週刊SPA!12/24号(12/17発売)
ときちゃん
Amazonで購入する
定期購読する
バックナンバーはこちら
SPA! 最新の関連書籍一覧
トリビュートブック 100%孤独のグルメ! それにしても腹が減った!
海外売春-女たちの選択-
現役の米陸軍大将も、ハワイ州知事も沖縄移民三世! なぜアメリカで沖縄移民が活躍してるのか?
米国で大活躍する沖縄移民の子孫たち
最近、我が国は国家的〝引きこもり〟状態に陥っている。米国カリフォルニア在住でITビジネスを営む私の友人は、顔を合わせる度に警告する。 「日本人はどこへ行った? 街で見かけるのは中国人と韓国人だけだ。このままでは日本は衰退するぞ」 対照的に米国では今、沖縄移民の子孫の活躍が目立つ。 平成三十(二〇一八)年五月四日、ドナルド・トランプ米大統領は沖縄移民三世のポール・M・ナカソネ米陸軍大将を国家安全保障局局長兼サイバー軍司令官兼中央安全委員会長官に任命した。このポストにアジア系米国人が就任するのは初めてである。 また、サイバー軍は戦略軍指揮下から独立して太平洋軍、欧州軍などの統合軍に格上げされたため、ナカソネ大将は大統領に万一、不測の事態が発生し執務困難に陥った際、国家指揮を担う権限の順位が付与されたことになる。「アメリカン・ファースト」が叫ばれ、移民規制を強化する傾向の中で、国家生存の中枢を沖縄移民三世が担うのだ。 六月六日、七日の両日には、ハワイで現秋篠宮皇嗣同妃両殿下をお迎えして、第五十九回海外日系人大会とハワイ移住元年者百五十周年記念式典が開催された。最終日には、沖縄移民三世のデービット・Y・イゲ(日本名・伊芸豊)ハワイ州知事が両殿下を晩さん会にお招きした。「沖縄移民の父」當山久三
一方、沖縄では、同年十月十四日、本島北部の金武町で當山久三生誕百五十周年記念祭が開催され、町内の老若男女が集い、當山久三を盛大に顕彰した。 當山久三とは「沖縄移民の父」と呼ばれ、廃藩置県後、虚脱状態にあった農民を鼓舞し、海外雄飛を推進した男である。四十二歳で早世したが、その精神は住民に引き継がれ、その後、世界各地で同町出身者が活躍してきた。 式典スピーチで、仲間一町長は、「ハワイ州知事は沖縄移民出身」と強調し、青少年に奮起を促した。 ところで、我が国は戦前と戦後の歴史の断層が大きい。しかも沖縄では、先の大戦の被害者意識を底流としたイデオロギー教育が小中学校で行われてきた。従って偉人たちの生涯も、国家に抗った英雄であったかのように改竄されている。 ところがこの金武町だけは、進取の気象に富んでおり、昭和六(一九三一)年に制定された金武小学校校歌を、戦後も一字一句改変せずに、現在まで歌い継いできた。この校歌については本文で詳述するが、歌詞に當山の格言、「いざ行かん世界五大州」が歌われている。 この度出版した拙著『沖縄県民の知らない 沖縄の偉人』(育鵬社)は三人の沖縄県出身者の生涯を記した。この當山久三と、移民二世でアジア太平洋地域の交流に尽くしたハワイ大学経済学部教授トーマス・H・イゲ(日本名伊芸平八郎)、そして日本復帰の起点を作った琉球政府主席(知事)松岡政保である。この三人はいずれも金武の出身である。左から、「沖縄移民の父」當山久三(とうやまきゅうぞう)、移民二世の米経済学者・トーマス・H・イゲ、沖縄返還交渉のキーマン・松岡政保(まつおかせいほ)。
貧困と琉球王朝時代からの陋習(ろうしゅう)に苦しむ沖縄を救うためアメリカに渡った男たちの闘いの記録!